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新しい年に  

2012年 01月 03日

新しい年になりました。

昨年はかの震災により、ものを考える尺度に大きな変化がありました。

地震津波の災害に対して、自然のなかに生まれ生きている我々の存在を強く感じたし、それに続く福島第一原発の事故は、今もって解決の道筋を模索している状態、このような問題に目を向けることなく暮らしていた自分自身の問題意識の甘さを実感せざるをえません。

ここ数年の演出作品でも、自然との共生ということでいえば、泉鏡花は「夜叉ヶ池」「天守物語」などでその問題を描いていたし、圓朝の怪談噺にも人間という存在の危うさ頼りなさ、決して、驕ってはいけないことなどを描いていました。それらの作品をもう一度読み直してみたいと思います、

また、芸術というものの役割が如何なものなのか、そこにも踏み込んでいかなければなりません。

政治、経済、また科学、医学などと芸術のコラボレーションは、今後の大きな課題となりそうです。

心のない科学技術が、政治に利用され、偏った経済活動に拍車をかけ、芸術はそれらのパトロンに堕していたのではないか、そんな気がします。

そういった歴史のツケがかの原発事故につながったのではないか。

芸術は直接、生活に反映されたり、衣食住を満たしたりすることはできませんが、人間がどうやって生きていったらいいのか、その理想を掲げることはできるはずです。



Imagine
想像してごらん

John Lennon
ジョン レノン

Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today
想像してごらん
天国はないと
想像してみるのはたやすい
みんなの下に地獄はなく
みんなの上には空があるだけ
想像してごらん
みんな今日のために暮らしていると

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace
想像してごらん
国はないと
想像するのは難しくない
殺す目的も死ぬ目的もない
宗教もない
想像してごらん
みんな平和に暮らしていると

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one
君は僕を夢想家と言うかもしれない
でも僕一人だけじゃないんだ
いつか仲間に加わってほしいなと思う
そしたら世界はひとつとなって生きる

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world
想像してごらん
所有もないと
君にできるかな
貪欲も飢餓も生じる必要がない
人類の兄弟愛の世界だ
想像してごらん
みんなが世界を共有していると

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one
君は僕を夢想家と言うかもしれない
でも僕一人だけじゃないんだ
いつか仲間に加わってほしいなと思う
そしたら世界はひとつとなって生きる


【最近の観劇作品】

12月8日(木)劇団東演公演『つがいのエプロン』作:堀江安夫、演出:原田一樹、於:東演パラータ
12月25日(日)パラダイス一座公演『オールド・バンチ4 男たちの挽歌完結編』作:山本清多、佃典彦、演出:流山児祥、於:下北沢スズナリ


2011年12月28日。
昨年に続き、第六回高校生映画コンクール「映画甲子園2011」の審査員を務める。
今年も素晴らしい作品、若き才能に多く出会えた。


# by yugikukan | 2012-01-03 13:38 | 日記 | Trackback | Comments(2)

祝婚歌  

2011年 12月 06日

12月3日夜、和合さんより素晴らしいプレゼントを頂いた。


祝婚歌

鳥がさえずる時に
白い波が押しよせて引いてゆく瞬(まばた)きに
星と月 また少し 明るくなる今に
あなたが私を見つめ返してくれる幸福を

約束の後で 新鮮な大地で
芽吹く野原で 足跡を重ねて
あなたとならどんな大河でも渡ってみせるから
手と手を結んで時に強く固く
         時にそっと出来るだけ
                  そっと

確かめよう 私たちの命を魂を
言葉を 宇宙を 海のかなたの美しい帆を
家族である喜びと誇りを
新しい生命を 新しい太陽を
           果てのない青空を


風が吹きはじめた時
目が覚めた時
花の影にほほえむ時
嬉しくて涙がこぼれてしまう時

私はあなたを見つめる

あなたは私を見つめ返してくれる

この時に

鳥がさえずる
白い波が押しよせて引いてゆく
星と月 また少し 明るくなる
あなたが私を見つめ返してくれる

和合亮一


【最近の観劇作品】

11月25日(土)劇団テアトル・カナ公演『ライロニア』於:シアター×

12月1日(木)青年劇場公演『シャッター通り商店街』作:高橋正圀、演出:松波亮介、於:練馬文化センター 小ホール 

12月3日(土)スパイラルムーン公演『キネカメモリア』作:横田雄紀、演出:秋葉舞滝子、於:劇小劇場 


# by yugikukan | 2011-12-06 10:19 | 日記 | Trackback | Comments(0)

アルバムを開いてみたら  

2011年 11月 15日

【今週の観劇作品】

11月10日(木)ぼっくすおふぃす公演『公園にて』作・演出:神品正子 於:SPACE雑遊 

11月11日(金)U・フィールド+川崎市アートセンター共催<シリーズ太田省吾の世界・完結編>『トラベラー 旅する人々』テキスト:太田省吾、構成・演出:井上弘久、於: アルテリオ小劇場

11月12日(土)テアトル・シネマ + 解体社コラボレーション公演『ホテル・デュ(神)』演出・原案/ズビグニェフ・シュムスキ 『最終生活』構成・演出/清水信臣 於:森下スタジオ



舞台表現はどこに向かっていくのか。今週の観劇作品のかから受けた印象はまずそれだ。
観客。もちろん観客に対しての行為であることは間違いない。
しかし、その観客というものをどうとらえていくのか。
解体社の舞台は、観客というものを制度化された身体(清水氏は人体という)ととらえ、観客の身体の向こう側に透けて見えてくるものに、果敢に働きかけようとする行為にみえた。

太田省吾さんの舞台は、円の養成所に通っていた頃、「千年の夏」「棲家」という二本を見た。また最近では、榮夫先生とのコラボのベケットがあった。おととしは韓国でキムアラ演出の舞台もみた。その太田さんの転形劇場での仕事を引き継いで活動していたu・フィールドのラストステージ。俳優は観客席の後ろに、観客は舞台の奥に太田さんを感じたかもしれない。

新しいグループ、「劇団漕人」の活動が始まる。その初日に合流した。

与えられた場所を自分たちの創造活動の場とするにはどうしたらいいのか、何が必要なのか。
まずそこから考えはじめた。さらに主に西洋の演劇史を俯瞰して、いままで演劇というものはどんなことを行ってきたのかを検証することになった。来週から、まずギリシャ悲劇をリーディングする。
このグループ、皆40代以上のシニアグループで、あまり演劇的なこと知らないのだが、彼らとの活動を通じて、もう一度基本的なことから検証しなおす機会になりそうだ。


アルバムを開いた。生まれた頃から10代までの写真を見た。必要なことがあるので実家から取り寄せたのだ。
もっと懐かしいのではとも思ったが、それほどの感慨がなかった。
なつかしさというのは、まだその世界が自分の記憶の引き出しのわりと浅いところにある記憶に対してわく感情ではないかとも思った。自分の生まれたての写真。これを10代の頃見たときはもっと感動があった。今見るそれらはあまりにも遠い記憶。
そして、別のアルバムに挟んであった20才の頃、デートをした女性とのツーショット写真。その写真を見ても彼女の名前が思い出せない。もう二十年近く、意識しなかった存在だからだ。記憶の引き出しが多くなり、どこにしまったのかわからなくなっていることも多いのだろう。今から会ってみたいというようなことではないのだが、引き出しは探してみようと思う。でも名前は思い出すのに時間がかかるかもしれない。

そんな時、偶然にも高校の同級生から同窓会の連絡がきた。偶然にしては出来すぎた話で驚いた。何しろ、メールをくれたかつての友人は、ここ数日間に、アルバムを開いて記憶の引き出しから出したばかりの存在だったのだ。
私は高校卒業後、転居し演劇の世界にはいって、高校時代の友人とコンタクトを取っていなかったので、私はクラスの中では忘れられた存在だったかもしれない。彼は、遊戯空間のホームページからおとずれてくれた。ネットというものが普及してからこの手の方法で行方の分からなくなったものと再び交流する機会も増えていることだろう。

古いアルバム、同窓会、

自分の中の「時間」が不思議な融合を繰り返しているせいか、微熱が続いている。   





# by yugikukan | 2011-11-15 12:09 | 日記 | Trackback | Comments(0)

『神様の鍵束』本番を終えて  

2011年 11月 03日

【最近の観劇作品】

10月14日(木)TAICHI-KIKAKU 公演『金色の魚~2011年の鎮魂と輪廻~』 於:座・高円寺2

10月23日(日)劇団銅鑼若手自主企画公演『楽屋』作:清水邦夫、演出:村田元史(演劇企画JOKO)、出演:柴田愛奈、福井夏紀、女部田裕子、土井真波、於: 池袋アトリエ第七 秘密基地

10月30日(日)京楽座公演『草鞋をはいて』作:福田善之、演出:福田善之、ふじたあさや、出演:中西和久 ほか、於: 座・高円寺2

10月29日(土)、杜こなての世界 vol.2『神様の鍵束』公演は無事に終了しました。
ご来場くださった皆さん、関係者のみなさん、どうもありがとうございました。

アフロアメリカンの民話をベースに音楽と演劇のコラボレーションとして企画された公演、私は語り部、演技者(男、女、神様、悪魔の4役)に加え、歌を2曲歌うという久々の大車輪で、震災前の2月頃から、稽古をはじめ、ようやく本番にたどり着いたのですが、おかげさまで本番は楽しむことができました。

「本番は」と但し書きがついてしまいますが、それは、稽古中、普段の演劇の現場では、あまり意識していなかった立場の違いによる意見交換のむずかしさを感じたからです。「作曲家」「ピアニスト」「俳優」という三者三様の考え方の違いは、熱の入った意見交換を何度かしましたが、今後の作品作りに生かされることと思います。


さて、ここでも何度か紹介した講師をしている舞台演技クラスの生徒たちが、クラスでの体験をもとに、自分たちで新たなユニットを作って意欲的に活動をはじめました。それがひとグループではなく、複数のグループが同時に活動を始めたのです。皆、頑張ってほしい。微力ながら応援していくつもりです。

シニアと呼ばれる年代の人間が新たな生き方を求めて、演劇を選ぶということは、勇気のいる決断です。
演劇は、経済活動になかなか結びつかないし、特に自分たちの表現を追い求めていこうとすれば、なおさらです。

しかし、若い頃からその道にどっぷりつかるのではなく、ある程度の生活基盤を形成してから、こういった表現活動をするということも、ほかの芸術ジャンル同様、もっと見直されてもいいと思います。

最近では、シニアの演劇祭が開かれるようになり、さいたまでは蜷川氏が劇団を旗揚げしています。

そして、それらは、今まで演劇のみやってきた専門家の仕事を脅かす可能性も秘めているのです。


ところで、来月12月、結婚式を挙げます。人生の一大イベントです。
慣れない準備にあわてています。しかしながら、妻も演劇人ゆえ、結婚式、披露宴にまつわるさまざまなことを演劇に例えると、公演に例えると、などと言いあって、よくふたりで笑っています。


これは最近我が家に導入された機器です。これで毎朝、血圧を測っています。

朝からかなりの高血圧ぶりに妻はあきれています。



# by yugikukan | 2011-11-03 23:29 | 日記 | Trackback | Comments(0)

そしてまた人生のコーナーを曲がる  

2011年 10月 09日

【最近の観劇作品】

9月10日(土)高木尋士主催 見沢知廉七回忌追悼公演『天皇ごっこ~蒼白の馬上 1978326~』原作:見沢知廉、脚本・演出・美術・選曲:高木尋士、出演:加藤翠、清水周介、千賀ゆう子 ほか 於:APOCシアター

9月22日(木)劇団俳小公演『プラトーノフ』作:チェーホフ 台本:早野 寿郎、ウラジーミル・ベイリス 演出:ウラジーミル・ベイリス、出演:渡辺聡(俳優座)、早野ゆかり(俳優座) ほか 於:シアター× 

9月23日(金)現代制作舎公演『心の旅路 ~大桜剣劇団より~ 』作:高田保、台本・演出:松熊信義
出演:増山浩一 ほか、於:銀座みゆき館劇場


中津川での『仮名手本忠臣蔵』が終わり、もう三週間が経過しようとしている。数日前に参加メンバーで慰労会を行った。久しぶりに集まったメンバーと歓談し、再会を誓って別れたのだが、今回の作業は、演出家としてのマネージメントに不満の残る結果となったことは否めない。
この大きな作品に取り組むには、その準備に欠けた。ゆえに稽古の進行をテンポよく展開できなかったことが悔やまれる。
昨年の『絵本太功記』では、参加者全員で文楽の映像資料を視聴し作品の世界観にあらかじめ精通していたことも実際の稽古では大いに役立った。今回もDVDを稽古場で観ることは観た、全11段を。しかし、もっと早く観ておけばよかった。
稽古場のマネージメントが良好でないと俳優と演出家、あるいは俳優同士に溝が出来てしまうこともある。本番一週間前にこの膨大な本編の上演をあきらめ、解説と名場面の抜粋のみの上演を俳優たちから提案され、大いに困惑した。しかし、テキストレジを進め、本番では、全11段(道行の8段目を除く)を上演、しかも原作のストーリー展開を損なうことなく1時間45分で上演したことは難作業だったが、意義のあることだったことには変わりない。
結果、参加俳優たちに助けられた上演だった。特に苦しい状況を理解して、奔走した秋葉舞滝子君には苦労をかけた。感謝したい。

中津川から1週間後の24日、25日、日本演出者協会主催の「日本の近代戯曲研修セミナー」に足を運ぶ。
今回の課題は「長谷川伸」。「瞼の母」を協会若手の御笠ノ忠次氏が、「刺青奇偶」を福田善之氏が演出した。
「忠臣蔵」メンバーの青井陽治氏、洪明花氏も「瞼の母」に参加。両作品とも長谷川伸への興味をかきたてるものだった。

その1週間後の30日には、新内の本番。新内幸照先生のてるてる坊主の会。そこでは名作「蘭蝶」の通しと「瞼の母」が語られる。二週連続の「瞼の母」はなかなか楽しかった。長谷川伸の文体、そしてそこに根ずく精神はリーディングとしても新内としても壊れることなく立ち現われている。戯曲の言葉はこうありたいものだ。「蘭蝶」では狂言方をお恥ずかしながらつとめ、圻を打った。なかなか難しくお聞き苦しい部分もあったのでは。

10月3日は、講師を勤めるスクールで、半年に一度の発表会。今回は「ブンナよ木からおりてこい」に取り組んだ。半年の間、この作品の死生感を通じ、震災以後の私たちは舞台の上で何ができるのかを考えながら稽古に臨んだ。二本ロープと俳優の身体だけのシンプルな舞台構成は気に入っている。俳優の戯曲の読み取り方、キャラクター作りに課題を残した。私自身の方法の検討が必要だろう。

翌4日、50歳になる。40歳とは全く違った感触。自分の事はさておき、この響きには何か重みを感じてしまう。
実際そうなのだろう。勤めにでれば定年というゴールがもう見え始めているだろうし、一般的な結婚適齢期に結婚していれば、子供が自立し、早ければ孫ができていてもいい年だ。
そんな年齢にも関わらず、当の私は・・・。

ようやく結婚、仕事もまだまだ半人前だ。いや言うまい、自ら選んだ道を邁進するしかないのだ。

ある戯曲賞に「隅田川の線香花火」を応募したことは先に書いたが、これが応募作60本の中から、最終審査の5本に残った。ほぼ初めてともいえる長編戯曲が、そのようになったことはうれしいことだ。そろそろ最優秀作品が決まる時期だ。

先週発売になった週刊新潮の「結婚」というページに私と妻翠が取材され掲載されている、しかも今、コンビニや駅の売店に並んでいるのだ。1ページに私たちの写真と現在の仕事、出会いのいきさつなどが書かれている。
詳細において事実と異なる部分もあるが、ともあれ、体温の上がってしまう今日この頃。

来年一月に開催の日本演出者協会主催の第二回日韓演劇フェスティバルの企画運営作業が、加速してきた。頭の中が嵐の様相になってきた。

10月29日に、一人で語って、歌って、演じる「神様の鍵束」の稽古も佳境。ピアニストとの掛け合いがどうなるか、こちらも稽古は白熱してきた。一日一回だけの本番、売り切れ必至です。ご観劇希望の方は、お早めにご連絡ください。(遊戯空間ホームページからメールで申し込めます)

そんな一か月。更新されていないページにお越しくださった方々には、ブログの更新が遅れたこと、お詫びします。

# by yugikukan | 2011-10-09 07:45 | 日記 | Trackback | Comments(0)

仮名手本忠臣蔵  

2011年 09月 08日

今年も岐阜中津川で、古典芸能とのコラボレーションをします。

去年は「絵本大功記」でしたが、今年の演目は「仮名手本忠臣蔵」、しかもこれを通しでやるという、大変な作業に取り組んでいます。台本は持ったままのリーディングですが、それでもなかなか大変な作業です。
私は演出という名のまとめ役に加え、今年は出演も致します。

座組みは、演出者協会のメンバーに俳優が加わり、15名、この人数で11段すべてを展開していきます。

助っ人としては、遊戯空間公演でもおなじみの佐々木梅治さんに加わって頂きました。心強い限りです。

稽古期間は二週間余り、なかなかハードな取り組みです。
毎日、午後夜間、稽古場に通っています。



さて、この「忠臣蔵」という作品。

このあまりにもポピュラーな演目に関わりの薄い演劇人が多いことに驚かされました。
今回出演している俳優の中に「忠臣蔵」を見たことのない者が、何人かいたこと、
歌舞伎、文楽など見たことのない演劇人って。

古典芸能への回路のない演劇人は、やはり問題です。


このような企画は、私を含む不勉強なものにとっては、薬になる企画と言えるかもしれません。





# by yugikukan | 2011-09-08 07:41 | 日記 | Trackback | Comments(0)

夏の終わりに  

2011年 09月 08日

平成23年9月4日(日)、篠本賢一と加藤翠は入籍いたしました。

これからの人生をふたりで協力しながら歩んでいきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

# by yugikukan | 2011-09-08 07:19 | 日記 | Trackback | Comments(0)

来月もまた  

2011年 08月 23日

【今週の観劇作品】

8月20日(土)フェニックスプロジェクトvol.3『プレイ・リーディング 石棺』作:ウラディミール・グバリョフ 訳・演出:青井陽治(マイケル・グレニーの英語版に拠る)出演:水谷八重子、久野綾希子、新井康弘、松田洋治、田口守 ほか 於:笹塚ファクトリー


事実は覆い隠せないーもう、チェルノブイリのことは忘れて良いのじゃないかと言う人々がいる、もっと大事なことが、我々の注意を向けよと求めているのだから…
「いつまでこの悲劇を嘆き続けろと言うのだ?」
更に悪いことには、チェルノブイリについて真実を隠そうとする人々もいるーいや、嘘をつこうとする人々さえ。しかし、嘘が必要なのは、自分の仕事に全うできない人、自分の無能と臆病を隠さなくてはならない人たちだ。
チェルノブイリを繰り返さないための道はただ一つ。何が起こったのか、包み隠さずに真実を告げ、悲劇の原因について、精密に分析することーそして、罪人たちを逃がさないことだ。潔い真実以外に、我々に、未来の道を示すものはない…

これは『石棺』の作者の発言です。

この言葉が今回の原発事故に全く重なることに驚きと失望を感じざるを得ません。

悲劇は繰り返されてしまったのですから。

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『継志ー板橋での戦争を語り継ぐ』が終わりました。
板橋の区民の皆さんとのコラボレーションは大変意義のあるものでした。
来年以後の継続を望む声が打ち上げの席で多く上がっていました。

なかには舞台に立つことの魅力を知ってしまい、もう一度やりたいと言っている方もおられるようです。
「役者と乞食は三日やったらやめられない」とよく言いますが、今回の本番も三日間でした。
なるほど。

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日本演出者協会の国際演劇交流セミナー「スイス特集」が22日月曜日に始まりました。
一つの課題作品を8人の演出家が、ブレインストーミングという形で、演出方法を検討していくという大変ユニークな企画です。
初日には演出プランのプレゼンが行われ、8通りの演出プランが示されました。
課題の戯曲をどう読んだか、そしてそれをどうやって立体的にしていくのか、稽古での課題などが、8人の演出家によって提示されました。それぞれ違った視点が示され、同じ作品でも演出家の包丁さばきでずいぶん違うものだと実感しました。演出プランの提示は、スタッフに向けて、また稽古場でも私も演出をする以上、いつも行うものですが、あまり他人のプレゼンに接する機会がありませんので、大いに参考になります。

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来月、昨年に続き、中津川で地歌舞伎コラボレーション企画をやります。
今年の課題は『仮名手本忠臣蔵』!
しかも全段通しです。
歌舞伎でも丸一日かかる演目を二時間でやってしまおうと思います。(無謀ですが)
来週から稽古に入る予定。
今、準備に大わらわです。

こちらの情報は「日本演出者協会」のホームページをご覧ください。

# by yugikukan | 2011-08-23 08:36 | 日記 | Trackback | Comments(0)

初日!  

2011年 08月 19日

「継志―板橋での戦争を語り継ぐ」の初日です。今夜は雨模様なのが気になりますが、舞台の成功を願うばかりです。

そして今日は、かつて遊戯空間で活躍した故青木雪絵さんを偲ぶ「雪幻会」の日でもあります。初日が終わった後で、青木さんと関係のあった方々と亡き彼女を偲びます。それにしても、青木さんが亡くなってから、早いもので八年が経ってしまいました。


さて、稽古も追い込みだった去る8月15日に、板橋の空襲の痕跡を出演者と巡りました。

何気なく暮らしていた町のそこここに残る空襲の爪痕。


                      4月13日の空襲犠牲者供養の地蔵


                      天祖神社の被弾した狛犬


                      6月10日の空襲犠牲者の地蔵(平安地蔵)



現在、マンション建設ラッシュの様相を呈してきた板橋ですが、このような歴史をもった町であることをしっかり心にとどめたいと思います。

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ところで、この文章を綴っているパソコンは今までとは違う場所にあります。

先にお伝えした通り、長年住んでいた泉町から前野町に移ってきたのです。

窓の外に広々とした空が広がっています(今は豪雨なのですが)
この部屋は三階ですが、周りは二階建ての民家が多いので、屋根の連なりを見ていると、なんだか屋根裏部屋にでもいるような錯覚に陥り、なかなか楽しい景観です。


さて、このように転居致しましたのには、理由があります。

皆さん、もうお気づきかもしれませんが、

私、篠本賢一は、来月、結婚致します。 (つづく)

# by yugikukan | 2011-08-19 11:22 | 日記 | Trackback | Comments(0)

お買いもの  

2011年 08月 13日

金曜日、家電を買いに行く。

環八沿いのヤマダで、冷蔵庫と洗濯機を買った。

冷蔵庫は167Lのもの、洗濯機は容量5kgで洗濯層がステンレスのものを選んだ。ともに国産のメーカー。

そのほかに、東京電力、水道局、東京ガスに連絡し、転居してからすぐに使えるように準備もした。

インターネット、電話、テレビは、板橋区内なので、引き続きJCOMというケーブル会社の設備を使う。

新しい住まいは、高台にある3階建てマンションの3階なので、とても見晴らしがいい。

窓から見える景色は、電線や高層ビルにさえぎられることなく、空が大きく見える。

自動車が通る道路から少し入ったところなので、騒がしい感じはしない。それどころか、目の前に木の生い茂った公園があるので、静かだ。桜も植えられている。来年はその桜を見ながら、ベランダでお花見ができそうだ。

来週から荷物を運び始める予定。

というのも・・・(つづく)


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「継志ー板橋での戦争を語り継ぐ」の稽古も佳境に入ってきた。

ピアノ演奏の藤田佐知子さんの演奏、音響効果なども絡めた稽古が始まった。

あまり途中で止めずに最後まで通してみる。

もう少しつめなければならないシーンもあるが、最終的にはメリハリのある舞台になりそうだ。

もうひと踏ん張りしなければならない。
明日はスライド映写も絡めた稽古になる。




# by yugikukan | 2011-08-13 20:52 | 日記 | Trackback | Comments(0)

住めば都か 板橋  

2011年 08月 08日

【今週の観劇作品】

8月5日(金)千賀ゆう子企画公演『平家を語る』~チェロとのセッションで語る「平家物語」原文の世界~ 構成/演出: 千賀ゆう子  出演: 加藤翠 木舘愛乃 清水周介 千賀ゆう子 笛田宇一郎(笛田宇一郎 演劇事務所) 村松真理子  楽士: 入間川正美〔チェロ〕
於:ストライプハウスギャラリー 



私は東京の文京区大塚で生まれた。10歳の時、埼玉県浦和市(現さいたま市)に移り、8年程いたが、そこを移って現在の東京板橋区泉町に来た。

ここに来たとき、父は48歳、今の私よりも少し若い、母は41歳だった。

移ってきてすぐに、進学はせず、演劇をやりたいと言って、父と大喧嘩をした。
一週間、話し合ったが、結局、父は首を縦にはふらなかった。それでも私は演劇をはじめた。

それからの私は演劇三昧、やがて妹は短大に通う。妹は、小中学校時代の同級生で東北大学に通う彼と遠距離恋愛をしていた。(それから10年ほどして彼らは結婚する)

板橋に来て数年後、父は体調を崩し仕事ができなくなった。

癌だった。

当時の癌は死刑宣告のようなものだったから、本人には告知せず、少し軽い病名にして、母が自宅で看護していた。

仕事は、退職はせずに、自宅療養ということにして長期休暇を認めてもらえた。
終身雇用が基本だったサラリーマンの古き良き時代ともいえよう。

陽のあたる居間の縁側で静かに庭を見ている父の姿が目に焼き付いている。

ある夜、父が吐血し、救急搬送され、そのまま入院した。

母、妹と私、家族三人交代で看病をしていたのだが、私が宿直のある夜、演劇を続けている私を、頑固一徹なところは親子だから似るんだな、と笑ってくれた。

それから、三か月ほど闘病したが、父は亡くなった。

親不孝なことに、私は父の臨終に立ち会えなかった。

その日私は、当番ではなかったので、ダンスの稽古場へ行き、稽古の後、仲間と軽く一杯やっていた。父が亡くなったのはちょうどその頃だったようだ。

当時は携帯電話がなかったので、緊急の連絡はつかない。母は自宅に何度も連絡したが、私を呼び出すことはできなかった。

ちょっと虫が知らせて、私が病院に電話をしてみると

「お父様は霊安室に行かれましたよ」

と看護婦さんに告げられる。

私は自宅に帰り待っていると、妹が病院から一足先に戻ってきた。

父の亡がらを妹と二人で待つ。

その間、ふたりでダビングしてあった映画を見ていた、ぼんやりと。

日が昇らぬ冬の朝、父が運ばれてきた。

正月は家に戻りたいと言っていた父だったが、それはかなわず、1月の下旬に無言の帰宅となってしまった。

サラリーマンとして生き、家族を養い、東京に家を建て、そして、その家にはわずか6年しか住むことができなかった父。

その無念はいかばかりか。

父亡き後、この家に私は母と二十年以上住んだ。

四十代だった母は、今は七十代になり、背中が丸くなって、ずいぶん小さくなった気がする。

はじめはどうもしっくりこなかった板橋だが、長く住んでいるうちに、いろいろな思い出ができた。楽しい思い出はあまり覚えていない。なぜか、悲しい思い出、切ない思い出の方がすぐに思い浮かぶ。

しかし、住めば都のたとえの如く、見渡せばなんともあか抜けない感じの板橋が、どうも肌に合ってきたのかもしれない。


突然だが、来週、私は転居する。


今住んでいる泉町からさほど離れていない前野町に。


というのも・・・〈つづく〉


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

劇団銅鑼主催公演「継志ー板橋での戦争を語り継ぐ」

稽古絶好調!

一般公募の「板橋区民のみなさん」チームが、劇団員を食うほどの存在感を見せはじめ、仕上がりが楽しみです。

この板橋でも戦争があった。

今では風化しつつある戦争の悲惨さが、体験手記を通して、痛切に実感できることでしょう。

それは、かの東北震災の現在とつながることが多いことにも驚かされます。

ぜひご覧ください。

チケットは、劇団銅鑼 tel03-3937-1101 fax03-3397-1103
板橋区立文化会館 tel03-3579-2222まで。

遊戯空間のホームページから、篠本に申し込んでも大丈夫です。

皆様のお越しをお待ちしています。
























# by yugikukan | 2011-08-08 22:03 | 日記 | Trackback | Comments(0)

あっという間の一週間  

2011年 07月 30日

【今週の観劇作品】
7月29日(金) オフィスN+ホリ・ヒロシ事務所公演「黄泉比良坂」~室内楽と人形舞の饗宴~ 
於:サントリーホール ブルーローズ


ヴァイオリン、コントラバス、パーカッションの室内楽に、ホリ・ヒロシさんの人形舞、能楽師のコラボレーション。ホールは演奏会仕様なのだが、素っ気ない環境のなかで、人形、能楽師、音楽が幽玄の世界を見事に現出させていた。

木曜日は、稽古終了後、急いで帰宅し、春に上演するはずだった「隅田川の線香花火」を、とある戯曲賞に応募するため、原稿を手直しした。諸所の事情で上演が果たせなかった作品だが、自分なり気に入っている。戯曲賞の選考委員がこれをどのように読むのか、興味がある。
応募〆切前日の郵送でギリギリセーフだった。


ところで近頃、何かと身辺が慌しい。
公私共にいろいろな出来事が続く。
一生の思い出になるような・・・。

あと数ヶ月で、五十歳になる。
織田信長の時代なら、もう寿命ともいえる年齢だ。

祖父も父親も五十代で亡くなっている。
私もいつの間にかそういった年齢になってきた。

この慌しさは、消える前の炎の燃えあがりか、はたまた、人生の絶頂の始まりか。

# by yugikukan | 2011-07-30 00:28 | 日記 | Trackback | Comments(0)

放射能がまだ降っています  

2011年 07月 27日

「継志ー板橋での戦争を語り継ぐ」の稽古場での出来事。

作家の櫻井唯雲さんがガイガーカウンターを持ってきた。
知人に借りているとのこと。

劇団の庭で測定。

すると、「0.2マイクロシーベルト」が出る。

行政の発表よりもかなり高い数字。
確かこの日の新宿の数字が「0.05」ぐらいだったと思う。

実に4倍の数値なのだ。

しかも、「0.05」は大気中の測定値。
放射線物質は、地面に残留するから、「0.05」を鵜呑みにはできないだろう。

人間は地球上のどこに住んでいても常に放射線を浴びているし、人体は年間およそ2.4ミリシーベルトの自然放射線に常にさらされているといわれている。

また「0.2マイクロシーベルト」を24時間、仮に浴び続けると、1日あたり「4.8マイクロシーベルト」。それを年間に換算すると、「1752マイクロシーベルト」=「1.752ミリシーベルト」=「0.001752シーベルト」となる。

政府は年間20ミリシーベルトを基準にしているから、これは一見安全かと思われる数字だ。

だが、政府見解はさておき武田邦彦氏によると、学者の間では、年間1ミリシーベルトで、5000人にガンが発症するとのこと。

そうすると、先の計算の数値は大きめに見積もっているとはいえ「1.752ミリシーベルト」は十分危険な数値なのだ。



昨日、毎日新聞夕刊に「つぶやきと叫び」の記事が出た。これはかの公演の演劇的側面が評価されたことになるのだが、その舞台で取り上げた問題はいまだに解決されていない。いや、人々の危機感が緩み始めている今、むしろ危険は忍び寄っていると思われる。

「つぶやきと叫び」は、舞台を作った関係者ならびに観客の皆様に、この事態を記憶するための心の楔(くさび)になっていると思うのだが、これからもその楔を胸中に秘め、世界を見続けなければいけない。

# by yugikukan | 2011-07-27 09:54 | 日記 | Trackback | Comments(0)

石の上にも三年か  

2011年 07月 25日

昨日は一日中「板橋での戦争を語り継ぐ」の稽古。

13時から18時までの全体稽古で、手記を語る一人一人のシーンを細かくチェック。

夕方、舞台セットが運び込まれる。
鉄製の立方体が十数個。後日、塗装をして仕上げる。

舞台セット以外にも、本番では、スライド投影、藤田佐知子さんのピアノ演奏が加わる。
なかなか仕掛けの多い舞台になりそう。楽しみだ。

18時から21時まで抜き稽古。
プロローグのシーンをあたる。この場面は、キャリアのある俳優(50代)、キャリアのない俳優(ほぼ初舞台)、板橋在住のアマチュアの三名による掛け合い。

演出は、この異種格闘技のレフリーのような状態になっていた。


ところで、先週末より、新内の稽古を再開。

「つぶやきと叫び」の稽古のため、一か月ほどお休みしていたが、ようやく時間が取れるようになったので。

新しいことにチャレンジするのは楽しい。
だがそれをどう続けていくかが問題だろう。

まず毎日やること。稽古を習慣化できるかどうかがカギだ。
石の上にも三年のことわざの通り、ここは根性で乗り切るしかない。

さらに目標を設定することも大切だ。長期的なものと短期的なものと。
目標のない取り組みは、いずれ意欲が低下していく。
逆に目標(発表会など)があると、そこに向けて努力するので、レベルアップが図れる。

今は「蘭蝶」に取り組んでいる。今年中にはものにしたい。


今から日本演出者協会で広報部の会議。

# by yugikukan | 2011-07-25 11:20 | 日記 | Trackback | Comments(0)

板橋での戦争を語り継ぐの稽古  

2011年 07月 24日

昨日、荒立ち稽古をしました。

台本を持ったまま、舞台装置のなかでどうやって動くのか、どこにいるのか、どこから出てきてどこに去っていくのか、などを確認しました。

全体の骨格が見えてきました。

今回の作品は、作家櫻井唯雲さんのお書きになった物語、板橋で戦争を体験された方々の手記、そして、ナビゲーター役が、かの戦争を解説する部分と大きく分けて3つの異なるシーンが織り重なってできています。

それをどうやって三次元の世界に構造化していくか。演出者篠本の腕の見せ所といえましょう。

今回の公演には、板橋在住の方々も出演者に多数加わって頂いていますが、皆さん熱心で、劇団員も真っ青です。

そして、戦争体験のない戦後生まれの私は、知らないことも多く、皆さんからのご指摘に日々勉強させて頂いております。

いろいろな要素が絡み合った舞台、どのようなものになっていくのでしょう。

今日もこれから稽古場に行きます。

# by yugikukan | 2011-07-24 09:59 | 日記 | Trackback | Comments(0)

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