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立体化作業へ  

2012年 05月 24日

『隅田川の線香花火』の稽古も新たな段階に入る。

今日は舞台上の動線の確認。

基本的に舞台装置はない。

俳優の位置関係、動線だけですべてを表現していく。

この方法による演劇に出会ったのは、ピーター・ブルック著『何もない空間』

そして能。

そしてダンス。

何もない舞台に新たな空間、時間原則を作っていく面白さ。

# by yugikukan | 2012-05-24 10:30 | 日記 | Trackback | Comments(0)

全生庵、圓朝の墓前で  

2012年 05月 22日

【今週の観劇作品】

5月20日(日)青年劇場公演『臨界幻想2011』作・演出:ふじたあさや 於:紀伊国屋サザンシアター 
30年前に上演されたこの戯曲。スリーマイルでの事故後に書かれ、その後、チェルノブイリの事故があった。しかし、この作品で描かれた深刻な原発事故及び原発作業員の実態は、なんら変わっていない。演劇というものは、世界を映す鏡といわれるが、普段見逃してしまっている出来事をあぶりだすようにこの作品は成立していた。会場で和合亮一さんに出会う、偶然。

19日(土)、谷仲、全生庵にて圓朝、鉄舟の墓参り。出演者多数と公演の成功を願う。

『隅田川の線香花火』の稽古も一週間が過ぎた。動くことなしに読む稽古を重ねた。
それぞれ役へのアプローチが始まった一週間でもあった。

セルフイメージに縛られたまま言葉を発する俳優には、その縛りを解きほぐすヒントを提示した。

人間は意外に自分を小さくまとめてしまう傾向がある。
もちろん日常生活を社会的に営むには必要な、処世術とでもいえるものだが、これが俳優表現に於いては障害になることが多い。
経験のある俳優、能力のある俳優は、そのタガを自ら自由に取り払い、体の中にあるパワーをうまく使いこなすことが出来る。そういった俳優には、演出家はあまり多くを語らずに、彼らの作業を遠くから観て楽しんでいればよい。そういった意味では、今回の座組みは、演出にあまり仕事をさせない座組みともいえよう。

また、初顔合わせの多い今回の座組みにおいては、互いの事を知りあうための一週間でもあった。
どんな音を出すのか、どんな絡み方ができるのか。
お互いの出方を観察しながら、ある者は用心深く、ある者は相手を挑発して、良好なコミュニケーションを探っているようだった。

二日間のお休みののち、稽古は再開される。
次のクールは、ブロッキング。それぞれのシーンは、舞台のどの場所で展開され、人物はどこから登場し退場するのか、舞台での動線をさぐる作業に入る。

演出家の期待をいい意味で裏切ってくれそうな役者が多いので、また楽しみな一週間になりそうだ。

# by yugikukan | 2012-05-22 10:26 | 日記 | Trackback | Comments(0)

遊戯空間稽古初日  

2012年 05月 14日

【観劇作品】

5月13日(日)『授業フェスティバル公演』実験演劇集団風蝕異人街、長堀博物館◎プロデュース 於:神楽坂ディプラッツ 


さて、本日より遊戯空間公演『隅田川の線香花火』が始まります。

一昨年前に他団体に書き下ろした戯曲ですが、震災直後、公演中止になりましたが、遊戯空間公演としての仕切り直しです。前回のメンバー10名に、新たなメンバー9人が加わり、俳優総勢19名の大所帯です。

稽古初日の読み合わせで、今回のアンサンブルがどんなものになるのか、見えてきます。
演出としては、頭で考えたことが、どれほどできるのか、どれほどできないのか、これからの稽古の方向性を探る大切な日です。

恍惚と不安が同居した演出家にとって、何とも言えぬ一日です。

# by yugikukan | 2012-05-14 07:44 | 日記 | Trackback | Comments(0)

ここ一か月を振り返る  

2012年 05月 08日

【今週の観劇作品】

5月6日(日)授業フェスティバル公演『授業』作:イヨネスコ 於:神楽坂ディプラッツ 
3月25日(日)『魔笛』演出:ピーター・ブルック 於:さいたま芸術劇場
 

『授業』公演が終わった。
千賀ゆう子企画での二度目の演出、そして、二度目の出演。

そして、いよいよ『隅田川の線香花火』の稽古が来週始まる。

この数か月、演出というものについて、あらためて考えさせられるような稽古が続いた。
それは、普段作業をする現場とは違ったルールのもとに作業をしなければならなかったからだ。

雑感。

演出家のもつ決定権とは何か。

演出は現場で様々な問題に決断を迫られる。しかし演出家の担う決定権が現場で機能しなくなった場合、現場は秩序ある進行を継続できるかどうか。それは難しいと言わなければならないだろう。

言い換えれば、演出家がすべき準備を怠ってはならない、ということかもしれない。

戯曲に対する理解、そして、戯曲に対するアプローチの方法、そしてその具体的な作業行程、これらが、確実に準備され、参加する俳優、スタッフの理解を得なければならない。

そうでなければ、演出家が決定権を持つことの意味合いがなくなってしまう。

また、演出家は時間の管理を徹底しなければならない。

公演というものは、初日という、現場サイドからすると、締切と呼んでいいものがある。
締切に如何に間に合わせるか、これも演出家が充分な準備をしてはじめてできるものだ。

しかしすべての作業は日程通りに進行するわけではない。
なんらかのアクシデントで稽古ができないということもありうるからだ。

そういったことにも配慮した危機管理が求められる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『授業』フェスティバルに参加して思うこと。

翻案というものはどういったことなのか。

演劇を誰に届けようとしているのか。

オリジナルとの距離感。

『授業』を知らない観客に対してはどうアプローチすべきか。

テキストの持っている言葉の力を俳優の身体パワーの引き金にできるかどうか。

言語論にこそ、こだわった作業をしなければならないはず。

言葉の力を上回る身体言語を提示できているかどうか。
オリジナル作品の身体表現による矮小化は避けなければならない。

などなど、雑感。


# by yugikukan | 2012-05-08 11:34 | 日記 | Trackback | Comments(0)

震災後、一年・・・  

2012年 03月 24日

【最近の観劇作品】

3月23日(金)ドアーズ公演『朝に死す』『葉っぱのフレディ』作:清水邦夫、レオ・バスカーリア、演出:福沢富夫、於:銀座みゆき館劇場 

3月21日(水)メガバックスコレクション公演『HOTEL CALL AT』作・演出:滝一也 於:阿佐ヶ谷アルシェ 

3月19日(月)劇団花鈴&演劇工房 GrowthRing公演『石灯る夜』作:中澤日菜子、演出:近藤妙代、、於:遊空間がざびぃ

3月10日(土)劇団銅鑼公演『砂の上の星』脚本:いずみ凛、演出:木村早苗、於:スペース雑遊

3月10日(土)梅左事務所『藤戸 唄浄瑠璃狂言』作・演出:堀川登志子、於:シアターⅩ

3月9日(金)劇団鈴木秀暢『昨日と今日の果て』作・演出:鈴木ヒデマサ 於:ひつじ座

3月4日(日)東京アンサンブル『荷』作:チョン・ボックン、演出:坂手洋二 於:ブレヒト芝居小屋

3月2日(金)龍昇企画『バウンティフルへの旅』作:ホートン・フート、翻訳・演出:栗原崇 於:スペース雑遊

2月26日(日)テラ・アーツ・ファクトリー『最後の炎』作:デーア・ローアー、構成・演出:林英樹、於:dー倉庫

2月24日(金)わらび座『ミュージカル アテルイ 北の耀星』原作:高橋克彦、脚本:杉山義法、演出:中村哮夫、於:新宿文化センター 大ホール

2月19日(日)東京ハイビーム『オー・マイ・ゴースト』作・演出:吉村ゆう 於:MAKOTO シアター銀座


3月17日(土)、18日(日)。
仙台で「詩×劇 つぶやきと叫び」を上演する。
和合亮一さんが、ツイッターに、つぶてを投稿しはじめて、一年後にあたる、一周年に被災地での上演。
東京の俳優とゑ仙台の俳優による合同公演。

長い間、仙台の演劇人との交流を続けてきた千賀ゆう子さんとTheatre Group“OCT/PASS”の石川裕人さんの声掛けで実現した企画です。
仙台で活躍する、劇団I.Q150の丹野久美子さん、SENDAI座☆プロジェクトの樋渡宏嗣さん、渡部ギュウさんらが参加しました。(Theatre Group“OCT/PASS”絵永けいさんは、本番直前に入院し参加できなくなってしまいました)

2月中旬から毎週末、仙台に行き、稽古をしました。但し、演出の私だけ。東京、仙台での稽古は、ともに代役をたてて、行いました。
しかし、仙台に行くたびごとに雪が降り、高速バスを使った日、5時間の行程が10時間かかってしまった日もあったりして、なかなか苦労しました。石川さんら仙台の方々には、「雪男」呼ばわりされてしまいました。

さて、この作品は、いまだ解決をみない震災を扱っている作品だけに観客の方々の反応も非常にストレートです。
昨年の東京での公演の際にもありましたが、この作品がもっている一種の代弁作用によりカタルシスを得たという評価、災害当時を記録する価値などが、肯定的な評価としてある一方、傷ついた心の癒えぬ方々に対して追い打ちを掛けているとの批判的な意見もありました。

東京公演では、和合さんの個的な視点に違和感を感じる方もいた。「実際はそんなんじゃない」という声。今回は、そういった意見は少なかったような気がします。構成上、和合さんの視点であること明確にしたこと、また、震災一年たって和合さんの言葉がある種の普遍性を獲得し始めているということもあるかもしれません。

今回の仙台公演で、東京の者に震災の苦しみがわかってたまるか、という厳しい意見がありました。

逆に、この作品は、ぜひ継続するべきだという意見もありました。
特に被災地にほど遠い西日本で上演をすべきである、という声。

「認めたくないけど認めるしかないんでしょうね」

つぶてのなかにこういう一節がありますが、放射能、津波、余震の被害に苦しむ東北の方々のやりきれなさ、いらだちは、こういったねじれた言葉にあるのでしょう。

「詩×劇 つぶやきと叫び」は、当事者としては、受け入れがたい部分もあるが、様々な想いを代弁しているところもあり、だからこそ、被災地ではない他でやってほしい、そうすれば応援するよ、といった心情でしょうか。

震災直後、生まれたこの作品は、機会と場所を変えて、問われ続けなければならない作品なのかもしれません。

その土地その土地での評価は、震災の実感を映し出す鏡となって、私達作り手にも反射してきます。それが社会を映し出す鏡と考えることもできるかもしれません。

# by yugikukan | 2012-03-24 09:24 | 日記 | Trackback | Comments(0)

怒涛の一か月  

2012年 02月 06日

【最近の観劇作品】

1月19日(木)劇団サンスユ公演『奇妙旅行』作:古城十忍、演出:リュ・ジョヨン 於:あうるすぽっと 
1月23日(月)劇団太陽族公演『異郷の涙』作・演出:岩崎正裕 於:あうるすぽっと 
1月27日(金)『トンマッコルへようこそ』作:チャン・ジン、演出:東憲司 於:あうるすぽっと
2月4日(土)桐朋学園短期大学卒業公演『夢、「オセローの稽古」の』構成・演出:福田善之 於:せんがわ劇場


年が明けると、第二回日韓演劇フェスティバルの運営スタッフとして、慌ただしい日々が続いた。
身をすり減らしてきりきりした日が続いたが、大きな収穫もあった。

芸人「マルセ太郎」と出会えたことだ。

といっても、マルセさんはもう十年前に亡くなっている。

回顧展、ゲストトークをやるにあたって、過去の作品の映像資料、著作、そして、生前のマルセさんの関係者と出会えたことが、とても素晴らしかったのだ。


「思考する芸人」マルセさんは、「記憶は弱者にあり」と語り、晩年、社会的な弱者にまなざしを向けた喜劇を作り続けた。

また、「スクリーンのない映画館」という、一人芸で瞬く間に全国にファンを作った。
マルセさんに魅せられた彼らは、マルセ中毒と自称する。

回顧展では、「スクリーンのない映画館 泥の河」を上映した。

私は4度目の視聴だったが、また泣けた。

たぶん、もう一度観ても泣いてしまうだろう。

それほど素晴らしい作品だ。

生前のライブを観たかった、実に残念。


そして、これも手前味噌になってしまうが、伝手あってお招きした新内の岡本宮之助さんが、
故岡本文弥師匠の「ぶんや・ありらん」を披露してくれた。

文弥さんが、98歳の時に作った新作新内。
従軍慰安婦を扱っている問題作。「謝罪寸志」の副題がついている。

文弥師匠の芸を受け継ぐ気合の演奏だった。



日韓フェスも二週間の東京開催が終了し、今は大阪で、ほどなく、福岡でも開催される。


さて、そんななか、遊戯空間の次回作の準備が、急ピッチで進められている。

「詩×劇 つぶやきと叫び in 仙台」

2012年3月17日(土)、18日(日)13:30開​演 於:仙台文学館

作:和合亮一「詩の礫」「詩ノ黙礼」による

構成・演出:篠本賢一

出演:佐々木梅治、千賀ゆう子、藤田三三三、加藤翠、篠​本賢一 絵永けい、丹野久美子、樋渡宏嗣、渡部ギュウ

演奏:藤田佐知子

仙台演劇を代表する方々とのコラボは、充実した作業になりそう。

昨年の座・高円寺バージョンの台本に手を加えている。

乞うご期待!

# by yugikukan | 2012-02-06 02:32 | 日記 | Trackback | Comments(0)

新しい年に  

2012年 01月 03日

新しい年になりました。

昨年はかの震災により、ものを考える尺度に大きな変化がありました。

地震津波の災害に対して、自然のなかに生まれ生きている我々の存在を強く感じたし、それに続く福島第一原発の事故は、今もって解決の道筋を模索している状態、このような問題に目を向けることなく暮らしていた自分自身の問題意識の甘さを実感せざるをえません。

ここ数年の演出作品でも、自然との共生ということでいえば、泉鏡花は「夜叉ヶ池」「天守物語」などでその問題を描いていたし、圓朝の怪談噺にも人間という存在の危うさ頼りなさ、決して、驕ってはいけないことなどを描いていました。それらの作品をもう一度読み直してみたいと思います、

また、芸術というものの役割が如何なものなのか、そこにも踏み込んでいかなければなりません。

政治、経済、また科学、医学などと芸術のコラボレーションは、今後の大きな課題となりそうです。

心のない科学技術が、政治に利用され、偏った経済活動に拍車をかけ、芸術はそれらのパトロンに堕していたのではないか、そんな気がします。

そういった歴史のツケがかの原発事故につながったのではないか。

芸術は直接、生活に反映されたり、衣食住を満たしたりすることはできませんが、人間がどうやって生きていったらいいのか、その理想を掲げることはできるはずです。



Imagine
想像してごらん

John Lennon
ジョン レノン

Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today
想像してごらん
天国はないと
想像してみるのはたやすい
みんなの下に地獄はなく
みんなの上には空があるだけ
想像してごらん
みんな今日のために暮らしていると

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace
想像してごらん
国はないと
想像するのは難しくない
殺す目的も死ぬ目的もない
宗教もない
想像してごらん
みんな平和に暮らしていると

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one
君は僕を夢想家と言うかもしれない
でも僕一人だけじゃないんだ
いつか仲間に加わってほしいなと思う
そしたら世界はひとつとなって生きる

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world
想像してごらん
所有もないと
君にできるかな
貪欲も飢餓も生じる必要がない
人類の兄弟愛の世界だ
想像してごらん
みんなが世界を共有していると

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one
君は僕を夢想家と言うかもしれない
でも僕一人だけじゃないんだ
いつか仲間に加わってほしいなと思う
そしたら世界はひとつとなって生きる


【最近の観劇作品】

12月8日(木)劇団東演公演『つがいのエプロン』作:堀江安夫、演出:原田一樹、於:東演パラータ
12月25日(日)パラダイス一座公演『オールド・バンチ4 男たちの挽歌完結編』作:山本清多、佃典彦、演出:流山児祥、於:下北沢スズナリ


2011年12月28日。
昨年に続き、第六回高校生映画コンクール「映画甲子園2011」の審査員を務める。
今年も素晴らしい作品、若き才能に多く出会えた。


# by yugikukan | 2012-01-03 13:38 | 日記 | Trackback | Comments(0)

祝婚歌  

2011年 12月 06日

12月3日夜、和合さんより素晴らしいプレゼントを頂いた。


祝婚歌

鳥がさえずる時に
白い波が押しよせて引いてゆく瞬(まばた)きに
星と月 また少し 明るくなる今に
あなたが私を見つめ返してくれる幸福を

約束の後で 新鮮な大地で
芽吹く野原で 足跡を重ねて
あなたとならどんな大河でも渡ってみせるから
手と手を結んで時に強く固く
         時にそっと出来るだけ
                  そっと

確かめよう 私たちの命を魂を
言葉を 宇宙を 海のかなたの美しい帆を
家族である喜びと誇りを
新しい生命を 新しい太陽を
           果てのない青空を


風が吹きはじめた時
目が覚めた時
花の影にほほえむ時
嬉しくて涙がこぼれてしまう時

私はあなたを見つめる

あなたは私を見つめ返してくれる

この時に

鳥がさえずる
白い波が押しよせて引いてゆく
星と月 また少し 明るくなる
あなたが私を見つめ返してくれる

和合亮一


【最近の観劇作品】

11月25日(土)劇団テアトル・カナ公演『ライロニア』於:シアター×

12月1日(木)青年劇場公演『シャッター通り商店街』作:高橋正圀、演出:松波亮介、於:練馬文化センター 小ホール 

12月3日(土)スパイラルムーン公演『キネカメモリア』作:横田雄紀、演出:秋葉舞滝子、於:劇小劇場 


# by yugikukan | 2011-12-06 10:19 | 日記 | Trackback | Comments(0)

アルバムを開いてみたら  

2011年 11月 15日

【今週の観劇作品】

11月10日(木)ぼっくすおふぃす公演『公園にて』作・演出:神品正子 於:SPACE雑遊 

11月11日(金)U・フィールド+川崎市アートセンター共催<シリーズ太田省吾の世界・完結編>『トラベラー 旅する人々』テキスト:太田省吾、構成・演出:井上弘久、於: アルテリオ小劇場

11月12日(土)テアトル・シネマ + 解体社コラボレーション公演『ホテル・デュ(神)』演出・原案/ズビグニェフ・シュムスキ 『最終生活』構成・演出/清水信臣 於:森下スタジオ



舞台表現はどこに向かっていくのか。今週の観劇作品のかから受けた印象はまずそれだ。
観客。もちろん観客に対しての行為であることは間違いない。
しかし、その観客というものをどうとらえていくのか。
解体社の舞台は、観客というものを制度化された身体(清水氏は人体という)ととらえ、観客の身体の向こう側に透けて見えてくるものに、果敢に働きかけようとする行為にみえた。

太田省吾さんの舞台は、円の養成所に通っていた頃、「千年の夏」「棲家」という二本を見た。また最近では、榮夫先生とのコラボのベケットがあった。おととしは韓国でキムアラ演出の舞台もみた。その太田さんの転形劇場での仕事を引き継いで活動していたu・フィールドのラストステージ。俳優は観客席の後ろに、観客は舞台の奥に太田さんを感じたかもしれない。

新しいグループ、「劇団漕人」の活動が始まる。その初日に合流した。

与えられた場所を自分たちの創造活動の場とするにはどうしたらいいのか、何が必要なのか。
まずそこから考えはじめた。さらに主に西洋の演劇史を俯瞰して、いままで演劇というものはどんなことを行ってきたのかを検証することになった。来週から、まずギリシャ悲劇をリーディングする。
このグループ、皆40代以上のシニアグループで、あまり演劇的なこと知らないのだが、彼らとの活動を通じて、もう一度基本的なことから検証しなおす機会になりそうだ。


アルバムを開いた。生まれた頃から10代までの写真を見た。必要なことがあるので実家から取り寄せたのだ。
もっと懐かしいのではとも思ったが、それほどの感慨がなかった。
なつかしさというのは、まだその世界が自分の記憶の引き出しのわりと浅いところにある記憶に対してわく感情ではないかとも思った。自分の生まれたての写真。これを10代の頃見たときはもっと感動があった。今見るそれらはあまりにも遠い記憶。
そして、別のアルバムに挟んであった20才の頃、デートをした女性とのツーショット写真。その写真を見ても彼女の名前が思い出せない。もう二十年近く、意識しなかった存在だからだ。記憶の引き出しが多くなり、どこにしまったのかわからなくなっていることも多いのだろう。今から会ってみたいというようなことではないのだが、引き出しは探してみようと思う。でも名前は思い出すのに時間がかかるかもしれない。

そんな時、偶然にも高校の同級生から同窓会の連絡がきた。偶然にしては出来すぎた話で驚いた。何しろ、メールをくれたかつての友人は、ここ数日間に、アルバムを開いて記憶の引き出しから出したばかりの存在だったのだ。
私は高校卒業後、転居し演劇の世界にはいって、高校時代の友人とコンタクトを取っていなかったので、私はクラスの中では忘れられた存在だったかもしれない。彼は、遊戯空間のホームページからおとずれてくれた。ネットというものが普及してからこの手の方法で行方の分からなくなったものと再び交流する機会も増えていることだろう。

古いアルバム、同窓会、

自分の中の「時間」が不思議な融合を繰り返しているせいか、微熱が続いている。   





# by yugikukan | 2011-11-15 12:09 | 日記 | Trackback | Comments(0)

『神様の鍵束』本番を終えて  

2011年 11月 03日

【最近の観劇作品】

10月14日(木)TAICHI-KIKAKU 公演『金色の魚~2011年の鎮魂と輪廻~』 於:座・高円寺2

10月23日(日)劇団銅鑼若手自主企画公演『楽屋』作:清水邦夫、演出:村田元史(演劇企画JOKO)、出演:柴田愛奈、福井夏紀、女部田裕子、土井真波、於: 池袋アトリエ第七 秘密基地

10月30日(日)京楽座公演『草鞋をはいて』作:福田善之、演出:福田善之、ふじたあさや、出演:中西和久 ほか、於: 座・高円寺2

10月29日(土)、杜こなての世界 vol.2『神様の鍵束』公演は無事に終了しました。
ご来場くださった皆さん、関係者のみなさん、どうもありがとうございました。

アフロアメリカンの民話をベースに音楽と演劇のコラボレーションとして企画された公演、私は語り部、演技者(男、女、神様、悪魔の4役)に加え、歌を2曲歌うという久々の大車輪で、震災前の2月頃から、稽古をはじめ、ようやく本番にたどり着いたのですが、おかげさまで本番は楽しむことができました。

「本番は」と但し書きがついてしまいますが、それは、稽古中、普段の演劇の現場では、あまり意識していなかった立場の違いによる意見交換のむずかしさを感じたからです。「作曲家」「ピアニスト」「俳優」という三者三様の考え方の違いは、熱の入った意見交換を何度かしましたが、今後の作品作りに生かされることと思います。


さて、ここでも何度か紹介した講師をしている舞台演技クラスの生徒たちが、クラスでの体験をもとに、自分たちで新たなユニットを作って意欲的に活動をはじめました。それがひとグループではなく、複数のグループが同時に活動を始めたのです。皆、頑張ってほしい。微力ながら応援していくつもりです。

シニアと呼ばれる年代の人間が新たな生き方を求めて、演劇を選ぶということは、勇気のいる決断です。
演劇は、経済活動になかなか結びつかないし、特に自分たちの表現を追い求めていこうとすれば、なおさらです。

しかし、若い頃からその道にどっぷりつかるのではなく、ある程度の生活基盤を形成してから、こういった表現活動をするということも、ほかの芸術ジャンル同様、もっと見直されてもいいと思います。

最近では、シニアの演劇祭が開かれるようになり、さいたまでは蜷川氏が劇団を旗揚げしています。

そして、それらは、今まで演劇のみやってきた専門家の仕事を脅かす可能性も秘めているのです。


ところで、来月12月、結婚式を挙げます。人生の一大イベントです。
慣れない準備にあわてています。しかしながら、妻も演劇人ゆえ、結婚式、披露宴にまつわるさまざまなことを演劇に例えると、公演に例えると、などと言いあって、よくふたりで笑っています。


これは最近我が家に導入された機器です。これで毎朝、血圧を測っています。

朝からかなりの高血圧ぶりに妻はあきれています。



# by yugikukan | 2011-11-03 23:29 | 日記 | Trackback | Comments(0)

そしてまた人生のコーナーを曲がる  

2011年 10月 09日

【最近の観劇作品】

9月10日(土)高木尋士主催 見沢知廉七回忌追悼公演『天皇ごっこ~蒼白の馬上 1978326~』原作:見沢知廉、脚本・演出・美術・選曲:高木尋士、出演:加藤翠、清水周介、千賀ゆう子 ほか 於:APOCシアター

9月22日(木)劇団俳小公演『プラトーノフ』作:チェーホフ 台本:早野 寿郎、ウラジーミル・ベイリス 演出:ウラジーミル・ベイリス、出演:渡辺聡(俳優座)、早野ゆかり(俳優座) ほか 於:シアター× 

9月23日(金)現代制作舎公演『心の旅路 ~大桜剣劇団より~ 』作:高田保、台本・演出:松熊信義
出演:増山浩一 ほか、於:銀座みゆき館劇場


中津川での『仮名手本忠臣蔵』が終わり、もう三週間が経過しようとしている。数日前に参加メンバーで慰労会を行った。久しぶりに集まったメンバーと歓談し、再会を誓って別れたのだが、今回の作業は、演出家としてのマネージメントに不満の残る結果となったことは否めない。
この大きな作品に取り組むには、その準備に欠けた。ゆえに稽古の進行をテンポよく展開できなかったことが悔やまれる。
昨年の『絵本太功記』では、参加者全員で文楽の映像資料を視聴し作品の世界観にあらかじめ精通していたことも実際の稽古では大いに役立った。今回もDVDを稽古場で観ることは観た、全11段を。しかし、もっと早く観ておけばよかった。
稽古場のマネージメントが良好でないと俳優と演出家、あるいは俳優同士に溝が出来てしまうこともある。本番一週間前にこの膨大な本編の上演をあきらめ、解説と名場面の抜粋のみの上演を俳優たちから提案され、大いに困惑した。しかし、テキストレジを進め、本番では、全11段(道行の8段目を除く)を上演、しかも原作のストーリー展開を損なうことなく1時間45分で上演したことは難作業だったが、意義のあることだったことには変わりない。
結果、参加俳優たちに助けられた上演だった。特に苦しい状況を理解して、奔走した秋葉舞滝子君には苦労をかけた。感謝したい。

中津川から1週間後の24日、25日、日本演出者協会主催の「日本の近代戯曲研修セミナー」に足を運ぶ。
今回の課題は「長谷川伸」。「瞼の母」を協会若手の御笠ノ忠次氏が、「刺青奇偶」を福田善之氏が演出した。
「忠臣蔵」メンバーの青井陽治氏、洪明花氏も「瞼の母」に参加。両作品とも長谷川伸への興味をかきたてるものだった。

その1週間後の30日には、新内の本番。新内幸照先生のてるてる坊主の会。そこでは名作「蘭蝶」の通しと「瞼の母」が語られる。二週連続の「瞼の母」はなかなか楽しかった。長谷川伸の文体、そしてそこに根ずく精神はリーディングとしても新内としても壊れることなく立ち現われている。戯曲の言葉はこうありたいものだ。「蘭蝶」では狂言方をお恥ずかしながらつとめ、圻を打った。なかなか難しくお聞き苦しい部分もあったのでは。

10月3日は、講師を勤めるスクールで、半年に一度の発表会。今回は「ブンナよ木からおりてこい」に取り組んだ。半年の間、この作品の死生感を通じ、震災以後の私たちは舞台の上で何ができるのかを考えながら稽古に臨んだ。二本ロープと俳優の身体だけのシンプルな舞台構成は気に入っている。俳優の戯曲の読み取り方、キャラクター作りに課題を残した。私自身の方法の検討が必要だろう。

翌4日、50歳になる。40歳とは全く違った感触。自分の事はさておき、この響きには何か重みを感じてしまう。
実際そうなのだろう。勤めにでれば定年というゴールがもう見え始めているだろうし、一般的な結婚適齢期に結婚していれば、子供が自立し、早ければ孫ができていてもいい年だ。
そんな年齢にも関わらず、当の私は・・・。

ようやく結婚、仕事もまだまだ半人前だ。いや言うまい、自ら選んだ道を邁進するしかないのだ。

ある戯曲賞に「隅田川の線香花火」を応募したことは先に書いたが、これが応募作60本の中から、最終審査の5本に残った。ほぼ初めてともいえる長編戯曲が、そのようになったことはうれしいことだ。そろそろ最優秀作品が決まる時期だ。

先週発売になった週刊新潮の「結婚」というページに私と妻翠が取材され掲載されている、しかも今、コンビニや駅の売店に並んでいるのだ。1ページに私たちの写真と現在の仕事、出会いのいきさつなどが書かれている。
詳細において事実と異なる部分もあるが、ともあれ、体温の上がってしまう今日この頃。

来年一月に開催の日本演出者協会主催の第二回日韓演劇フェスティバルの企画運営作業が、加速してきた。頭の中が嵐の様相になってきた。

10月29日に、一人で語って、歌って、演じる「神様の鍵束」の稽古も佳境。ピアニストとの掛け合いがどうなるか、こちらも稽古は白熱してきた。一日一回だけの本番、売り切れ必至です。ご観劇希望の方は、お早めにご連絡ください。(遊戯空間ホームページからメールで申し込めます)

そんな一か月。更新されていないページにお越しくださった方々には、ブログの更新が遅れたこと、お詫びします。

# by yugikukan | 2011-10-09 07:45 | 日記 | Trackback | Comments(0)

仮名手本忠臣蔵  

2011年 09月 08日

今年も岐阜中津川で、古典芸能とのコラボレーションをします。

去年は「絵本大功記」でしたが、今年の演目は「仮名手本忠臣蔵」、しかもこれを通しでやるという、大変な作業に取り組んでいます。台本は持ったままのリーディングですが、それでもなかなか大変な作業です。
私は演出という名のまとめ役に加え、今年は出演も致します。

座組みは、演出者協会のメンバーに俳優が加わり、15名、この人数で11段すべてを展開していきます。

助っ人としては、遊戯空間公演でもおなじみの佐々木梅治さんに加わって頂きました。心強い限りです。

稽古期間は二週間余り、なかなかハードな取り組みです。
毎日、午後夜間、稽古場に通っています。



さて、この「忠臣蔵」という作品。

このあまりにもポピュラーな演目に関わりの薄い演劇人が多いことに驚かされました。
今回出演している俳優の中に「忠臣蔵」を見たことのない者が、何人かいたこと、
歌舞伎、文楽など見たことのない演劇人って。

古典芸能への回路のない演劇人は、やはり問題です。


このような企画は、私を含む不勉強なものにとっては、薬になる企画と言えるかもしれません。





# by yugikukan | 2011-09-08 07:41 | 日記 | Trackback | Comments(0)

夏の終わりに  

2011年 09月 08日

平成23年9月4日(日)、篠本賢一と加藤翠は入籍いたしました。

これからの人生をふたりで協力しながら歩んでいきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

# by yugikukan | 2011-09-08 07:19 | 日記 | Trackback | Comments(0)

来月もまた  

2011年 08月 23日

【今週の観劇作品】

8月20日(土)フェニックスプロジェクトvol.3『プレイ・リーディング 石棺』作:ウラディミール・グバリョフ 訳・演出:青井陽治(マイケル・グレニーの英語版に拠る)出演:水谷八重子、久野綾希子、新井康弘、松田洋治、田口守 ほか 於:笹塚ファクトリー


事実は覆い隠せないーもう、チェルノブイリのことは忘れて良いのじゃないかと言う人々がいる、もっと大事なことが、我々の注意を向けよと求めているのだから…
「いつまでこの悲劇を嘆き続けろと言うのだ?」
更に悪いことには、チェルノブイリについて真実を隠そうとする人々もいるーいや、嘘をつこうとする人々さえ。しかし、嘘が必要なのは、自分の仕事に全うできない人、自分の無能と臆病を隠さなくてはならない人たちだ。
チェルノブイリを繰り返さないための道はただ一つ。何が起こったのか、包み隠さずに真実を告げ、悲劇の原因について、精密に分析することーそして、罪人たちを逃がさないことだ。潔い真実以外に、我々に、未来の道を示すものはない…

これは『石棺』の作者の発言です。

この言葉が今回の原発事故に全く重なることに驚きと失望を感じざるを得ません。

悲劇は繰り返されてしまったのですから。

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『継志ー板橋での戦争を語り継ぐ』が終わりました。
板橋の区民の皆さんとのコラボレーションは大変意義のあるものでした。
来年以後の継続を望む声が打ち上げの席で多く上がっていました。

なかには舞台に立つことの魅力を知ってしまい、もう一度やりたいと言っている方もおられるようです。
「役者と乞食は三日やったらやめられない」とよく言いますが、今回の本番も三日間でした。
なるほど。

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日本演出者協会の国際演劇交流セミナー「スイス特集」が22日月曜日に始まりました。
一つの課題作品を8人の演出家が、ブレインストーミングという形で、演出方法を検討していくという大変ユニークな企画です。
初日には演出プランのプレゼンが行われ、8通りの演出プランが示されました。
課題の戯曲をどう読んだか、そしてそれをどうやって立体的にしていくのか、稽古での課題などが、8人の演出家によって提示されました。それぞれ違った視点が示され、同じ作品でも演出家の包丁さばきでずいぶん違うものだと実感しました。演出プランの提示は、スタッフに向けて、また稽古場でも私も演出をする以上、いつも行うものですが、あまり他人のプレゼンに接する機会がありませんので、大いに参考になります。

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来月、昨年に続き、中津川で地歌舞伎コラボレーション企画をやります。
今年の課題は『仮名手本忠臣蔵』!
しかも全段通しです。
歌舞伎でも丸一日かかる演目を二時間でやってしまおうと思います。(無謀ですが)
来週から稽古に入る予定。
今、準備に大わらわです。

こちらの情報は「日本演出者協会」のホームページをご覧ください。

# by yugikukan | 2011-08-23 08:36 | 日記 | Trackback | Comments(0)

初日!  

2011年 08月 19日

「継志―板橋での戦争を語り継ぐ」の初日です。今夜は雨模様なのが気になりますが、舞台の成功を願うばかりです。

そして今日は、かつて遊戯空間で活躍した故青木雪絵さんを偲ぶ「雪幻会」の日でもあります。初日が終わった後で、青木さんと関係のあった方々と亡き彼女を偲びます。それにしても、青木さんが亡くなってから、早いもので八年が経ってしまいました。


さて、稽古も追い込みだった去る8月15日に、板橋の空襲の痕跡を出演者と巡りました。

何気なく暮らしていた町のそこここに残る空襲の爪痕。


                      4月13日の空襲犠牲者供養の地蔵


                      天祖神社の被弾した狛犬


                      6月10日の空襲犠牲者の地蔵(平安地蔵)



現在、マンション建設ラッシュの様相を呈してきた板橋ですが、このような歴史をもった町であることをしっかり心にとどめたいと思います。

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ところで、この文章を綴っているパソコンは今までとは違う場所にあります。

先にお伝えした通り、長年住んでいた泉町から前野町に移ってきたのです。

窓の外に広々とした空が広がっています(今は豪雨なのですが)
この部屋は三階ですが、周りは二階建ての民家が多いので、屋根の連なりを見ていると、なんだか屋根裏部屋にでもいるような錯覚に陥り、なかなか楽しい景観です。


さて、このように転居致しましたのには、理由があります。

皆さん、もうお気づきかもしれませんが、

私、篠本賢一は、来月、結婚致します。 (つづく)

# by yugikukan | 2011-08-19 11:22 | 日記 | Trackback | Comments(0)

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