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幕間のメモ帳

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2014年 02月 23日

2014年冬 近況走り書き

【最近の観劇作品】

1月12日(日)劇団解体社+テアトル・シネマ『ドキュメント ポストヒューマン・シアター2011-14』構成・共同演出:清水信臣+ズビグニェフ・シュムスキ 於:森下スタジオ

1月23日(木)名取事務所『運転免許 私の場合』作:ポーラ・ヴォ―ゲル 演出:小川絵梨子 於:下北沢「劇」小劇場

1月24日(金)俳優座公演『東海道 四谷怪談』作:四世鶴屋南北 演出:安川修一 於:俳優座劇場

1月30日(木)劇団キンダースペース公演『プラトーノフ』構成・脚本・演出・美術:原田一樹、於:シアターX

2月1日(土)千賀ゆう子企画公演『安吾を語る 夜長姫と耳男』作:坂口安吾、構成・演出:千賀ゆう子、於:ストライプハウスギャラリー

2月13日(木)tori studio Tokyo presents『朗読劇 父と暮せば』作:井上ひさし、演出:tori、於:Gallery Le DECO 

2月21日(金)泉鏡花×鳥山昌克公演『幻の絵馬』原作:泉鏡花、構成・演出:鳥山昌克、於:みみずく会館 


1月早々に「アナホリッシュ国文学」の編集長牧野十寸穂さんから泉鏡花特集の原稿依頼があった。1月中、久々に能のこと、泉鏡花のこと、そして、私の作ってきた演劇について振り返る時間が持てた。3月下旬に発行予定。

劇団櫂人旗揚げ公演が、10月に上野ストアハウスで行われることに決定。演目は、イヨネスコの「犀」。ところが、旗揚げ公演の前に一本公演が決まってしまった。依頼があって二本立て上演の一本を担うことになるのだが、「怪談牡丹燈籠 お札はがし」を上演することに。もう一本は、和田幾子氏演出の「文七元結」。ともに円朝ものなので、公演のタイトルが「圓朝弐題」となる。急きょ決まった公演だが、楽しみである。(4月12日・13日 西荻ターニング)

シニア演劇でご一緒した方がお二人、この2月に亡くなった。
一人は、劇団ジーバで活躍が期待された男性。ガンの治療中であった。もう一人は、昨年、「マクベスの妻と呼ばれた女」で、一番若い女中の役をやった女性。彼女は、四〇代で、虚血性心疾患による急死だったらしい。演劇の仲間が亡くなるのはとても寂しい。ご冥福をお祈りします。

日本演出者協会の近代戯曲研修セミナーで、森本薫を勉強している。「女の一生」「怒涛」といった後期の長編ではなく、ラジオ・ドラマ3本が課題戯曲に。心理の交錯する台詞劇。リズミカルで洗練された文体。森本薫の魅力がじわじわと感じられてきた。戦争の時代に戯曲を書き続けたが、戦争が終わる1946年に逝去。生きていたらどんな傑作戯曲を残しただろう。セミナーのゲストに大笹吉雄氏、小林勝也氏、西村博子氏らが参加。充実した研修が続いている。

5月に行われる小林拓夫企画の藤沢周平作品のリーディング公演の稽古も始まっている。リーディングとはいえ、かなり立体的な作品に仕上がりそうだ。北斎と広重の話。浮世絵が題材になっているので先日、大江戸博物館の「大浮世絵展」に足を運ぶ。日曜だったせいかどうかわからないが、超満員。浮世絵の人気の奥深さを見た。

3月下旬のテアトルアカデミー舞台演技クラスの発表も控えている。半年の稽古の成果を問う今回の作品は、清水邦夫の「楽屋」。この作品の完成度の高さをあらためて知る。世に演劇がある限り、女優が存在し続ける限り、この作品は、上演されるであろう。普遍的な作品、時代の流れの中で色あせない戯曲だと感じた。

5月に演出者協会国際部のメンバーと座内研修として、スタニスラフスキーの勉強会を行うことになった。1990年に出たロシア語版により、スタニスラフスキー研究はさらに進化しているようだ。「俳優の仕事 第三部 俳優の役に対する仕事」を課題にする予定。演出作品において俳優とのコラボを見直す契機にもなりそうだ。ここらでもう一度、初心に帰るということか。

現在、3本の作品を演出する日々、充実していないはずはない。

by yugikukan | 2014-02-23 16:21 | 演劇 


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