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幕間のメモ帳

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2012年 08月 06日

隅田川の線香花火、公演終了

ホームページ故障のため、こちらから御礼申し上げます。

御来場頂きましてありがとうございました。
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# by yugikukan | 2012-08-06 10:55 | 日記
2012年 05月 29日

ディテールをつくる二週間

『隅田川の線香花火』の稽古。
荒立ちが終わり、今度は細かい部分を作っていく二週間。
まず初めの一週間は、あまり小さく固めようとせずに、可能性を探ることを重視する。
俳優が想像力を働かせて持ち込んでくるものをできるだけ試してみる。

言葉や動きのクセを修正することもこの時期に徹底しなければならない。
特に今回は和物なので、着物を着た所作、着つけも大切だ。
台詞に関しては、意志や感情、出来事をまとめてワンブレスで言い切る、無駄な間を排除する。
ワンセンテンスにピークが複数ないかどうか。山と呼んでいるが、これがワンセンテンスに複数あると、意味が伝わらないし、語っている本人も集中していない状態になっている。
感情、感覚の切り替え位置を徹底させること。これは読み合わせでも取り組んでいるが、中身の違うセリフを違うブレスでしゃべっているかどうか。内容が変わっているのに、ブレスを変えずにしゃべると、これもおかしなことになる。内容を変化させるときには、必ず息継ぎをし直す。
それと関連し、相手役のセリフのどの部分に反応するのかということも明確にしていく。その時に動き、呼吸の変化はどうなるか。

など。

小道具の使い方の探求もこの時期に深めていきたい。
小道具と言っても扇子と手ぬぐい、基本的にこれだけ。
その二つを様々なものに見立てていくという、落語風の使い方をする。
今回の座組みには、桂右團治師匠が参加してくれているので、貴重なアドバイスが頂ける。

演出をしていて台本の読み込みが昨年よりも深まった気がする、自分で書いたものなのだが。
昨年は書いたものを立体的にすることで精いっぱいだったのかも。
今回は、人物の造形につながる物語の連続性、モチーフとモチーフの間にある伏線などが、前回に比べよく見えるようになった。
そういった意味では、今回の方が戯曲に対し客観性が持て、前回よりも演出としての作業ができているのかもしれない。自分で書いた台本に新たな光を当てていく作業、なかなか新鮮である。

6月9日の稽古は、当初午後夜間の長丁場だったが、桂右團治師匠が、国立演芸場に出演するので、稽古は半日で終え、出演者一同で三宅坂に応援しに行くことにした。稽古場では、演劇というアウェーでの他流試合に挑戦している師匠だが、その時はホームグラウンドでの師匠を観ることが出来る。これも楽しみ。

# by yugikukan | 2012-05-29 06:41 | 日記
2012年 05月 24日

立体化作業へ

『隅田川の線香花火』の稽古も新たな段階に入る。

今日は舞台上の動線の確認。

基本的に舞台装置はない。

俳優の位置関係、動線だけですべてを表現していく。

この方法による演劇に出会ったのは、ピーター・ブルック著『何もない空間』

そして能。

そしてダンス。

何もない舞台に新たな空間、時間原則を作っていく面白さ。

# by yugikukan | 2012-05-24 10:30 | 日記
2012年 05月 22日

全生庵、圓朝の墓前で

【今週の観劇作品】

5月20日(日)青年劇場公演『臨界幻想2011』作・演出:ふじたあさや 於:紀伊国屋サザンシアター 
30年前に上演されたこの戯曲。スリーマイルでの事故後に書かれ、その後、チェルノブイリの事故があった。しかし、この作品で描かれた深刻な原発事故及び原発作業員の実態は、なんら変わっていない。演劇というものは、世界を映す鏡といわれるが、普段見逃してしまっている出来事をあぶりだすようにこの作品は成立していた。会場で和合亮一さんに出会う、偶然。

19日(土)、谷仲、全生庵にて圓朝、鉄舟の墓参り。出演者多数と公演の成功を願う。

『隅田川の線香花火』の稽古も一週間が過ぎた。動くことなしに読む稽古を重ねた。
それぞれ役へのアプローチが始まった一週間でもあった。

セルフイメージに縛られたまま言葉を発する俳優には、その縛りを解きほぐすヒントを提示した。

人間は意外に自分を小さくまとめてしまう傾向がある。
もちろん日常生活を社会的に営むには必要な、処世術とでもいえるものだが、これが俳優表現に於いては障害になることが多い。
経験のある俳優、能力のある俳優は、そのタガを自ら自由に取り払い、体の中にあるパワーをうまく使いこなすことが出来る。そういった俳優には、演出家はあまり多くを語らずに、彼らの作業を遠くから観て楽しんでいればよい。そういった意味では、今回の座組みは、演出にあまり仕事をさせない座組みともいえよう。

また、初顔合わせの多い今回の座組みにおいては、互いの事を知りあうための一週間でもあった。
どんな音を出すのか、どんな絡み方ができるのか。
お互いの出方を観察しながら、ある者は用心深く、ある者は相手を挑発して、良好なコミュニケーションを探っているようだった。

二日間のお休みののち、稽古は再開される。
次のクールは、ブロッキング。それぞれのシーンは、舞台のどの場所で展開され、人物はどこから登場し退場するのか、舞台での動線をさぐる作業に入る。

演出家の期待をいい意味で裏切ってくれそうな役者が多いので、また楽しみな一週間になりそうだ。

# by yugikukan | 2012-05-22 10:26 | 日記
2012年 05月 14日

遊戯空間稽古初日

【観劇作品】

5月13日(日)『授業フェスティバル公演』実験演劇集団風蝕異人街、長堀博物館◎プロデュース 於:神楽坂ディプラッツ 


さて、本日より遊戯空間公演『隅田川の線香花火』が始まります。

一昨年前に他団体に書き下ろした戯曲ですが、震災直後、公演中止になりましたが、遊戯空間公演としての仕切り直しです。前回のメンバー10名に、新たなメンバー9人が加わり、俳優総勢19名の大所帯です。

稽古初日の読み合わせで、今回のアンサンブルがどんなものになるのか、見えてきます。
演出としては、頭で考えたことが、どれほどできるのか、どれほどできないのか、これからの稽古の方向性を探る大切な日です。

恍惚と不安が同居した演出家にとって、何とも言えぬ一日です。

# by yugikukan | 2012-05-14 07:44 | 日記