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幕間のメモ帳

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2018年 09月 12日

シアターΧカイ提携公演『喪服の似合うエレクトラ』三部作通し上演

シアターΧカイ提携公演『喪服の似合うエレクトラ』 三部作通し上演  


作/ユージーン・オニール 翻訳/菅泰男 演出・美術/篠本賢一 

ドラマトゥルク/平辰彦 演奏/水野俊介(5弦ウッドベース)

アメリカ演劇の父、ユージーン・オニールの代表作『喪服の似合うエレクトラ』は、3部、13幕からなる大作で、アイスキュロスの書いたギリシア悲劇『オルステイア』(三部作)を下敷きに、南北戦争時代のアメリカ、ニューイングランドのマノン将軍家の、血のつながる同族の愛憎と葛藤を描いている。これは、オニールによるギリシア悲劇の翻案であり、人類普遍のテーマを見事に現代に復活させたドラマといえよう。オニールの評価が再検討され、オニールの新たな魅力が再発見される一役を担えればと思う。


2018年1027日()11時/17時 28日(日)13時開演 

劇場 東京・両国 シアターXカイ 

料金 当日6000円 前売5000円 学生3000円(全席指定 三部通し券)


出演/をはり万造 横尾香代子(演劇集団円)松川真澄(松川事務所)佐々木梅治(劇団民藝)藤田三三三 荒川大三朗 草野峻平 立花芽衣 春延朋也 坂口寿一 鈴木寿和(劇団かるがも行進曲)神保麻奈 青木恵(劇団櫂人)


チケット取り扱い

◆カンフェティ http://confetti-web.com/elektra

 フリーダイヤル 0120-240-540(平日10時~18時)

 ☎03-6228-1630(携帯・PHSからご利用の場合に)

◆M.B.Eプロジェクト

 ☎090-3474-7999(制作携帯)

 ✉info.mbepro@gmail.com


企画/M.B.E.プロジェクト 松川事務所 主催/一般社団法人遊戯空間

平成30年度(第73回)文化庁芸術祭参加公演



# by yugikukan | 2018-09-12 11:09 | 演劇 
2016年 04月 30日

ここ最近?の観劇作品

 2015年は遊戯空間での公演が、7月『草迷宮』、10月『心中天網島』、12月『全段通し仮名手本忠臣蔵』と続き、あまりひとの芝居を観に行けなかった。観劇は作り手にとっての大切なインプットなのだが、現場に入りびたると、どうも集中を途切れさせたくなくなって、自分の現場に閉じこもってしまう。

 別役実フェスティバルの上演を何本か見たが、私が見た中では今一つ納得できるものがなかった。
コウモリ傘が意味する静かなたたずまい、根源的な不安感、孤独感が感じられない。
元気な演出が多かった。
人間存在の裏側、陽の当たらない部分、影で見えにくい部分をもっと描き出してほしい。
別役ドラマのクライマックスでは風が吹く。その風は、人間存在の頼りなさがあばかれ、孤独と向き合った瞬間に吹く風だ。
私の思う別役ドラマの空間は、昭和の路地のような懐かしい湿りっ気のある空間だ。どうも平成の街並みを見ているような明るい演出は味気なかった。

 東日本大震災以来、演劇界にも社会派作品を多く見かけるようになった。
演劇は大衆のエネルギーを吸い取り、それを昇華させ、作品を社会に還元させていく行為だとしたら、かの震災被害と原発問題、安倍政権の動向を考えれば、昨今の社会派演劇の流れは至極当然といえば当然だ。宮本研作品が多くの新劇団によって取り上げられるのもその傾向ということだろう。
ただし、こういう状況だからこそ、あえて芸術至上主義的な作風をもったものに意気込みを感じたりもする。かくいう私も2015年は自劇団で古典的なテキストによる公演を3本つづけた。
直接的に時代を語らずに、演劇そのものを自立した豊かなものにしていきたい。そうすることが、逆説的ではあるが、時代を強く意識した行為であることでもあると思う。

人間が豊かにならなければ、戦いは終わらない。

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2015年

6月4日(木)青年座公演『山猫からの手紙ーイーハトーボ伝説ー』
作:別役実、演出:伊藤大 @青年座劇場 ★★

6月5日(金)勝田事務所公演『かもめ』
作:チェーホフ、演出:松本裕子 @Dー倉庫 ★★

6月12日(金) 劇団東演+劇団文化座『廃墟』
作:三好十郎 演出:鵜山仁 @東演パラータ ★★

6月18日(木) 劇団俳優座『象』作:別役実 演出:菅田華絵 @劇団俳優座5階稽古場 ★

7月16日(木) リオフェス2015『Dance/歳月の恵み』
作:岸田理生 構成・演出:千賀ゆう子 @絵空箱 ★

8月27日(木)tori studio『バタフライは自由』
作:レオナルド・ガーシュ 翻訳・演出:tori @ラビネスト ★★

9月4日(金)オフィスワンダーランド『アレキサンドル昇天 青木繁・神話の棲み処』
作・演出:竹内一郎 @紀伊国屋ホール ★★

9月11日(金)『はるなつあきふゆ』
作:別役実 演出:小山ゆうな @銅鑼アトリエ ★★

9月12日(土)シアターX・アメリカ演劇上演研究会『命に代える妻』『無謀』
作:ユージン・オニール演出:大内三郎 @シアターX ★

9月13日(日)千賀ゆう子企画『平家を語る』@ストライプハウスギャラリー ★

9月19日(土)『わたしもカトリーヌ・ドヌーヴ』
作・演出:ピエール・ノット@上野ストアハウス ★★

12月13日(日)劇団俳小『イルクーツク物語』
作:アルプーゾフ 演出:河田園子 @シアターグリーン・ビッグツリー ★★

12月16日(水)歌舞伎公演『通し狂言東海道四谷怪談』
作:鶴屋南北 松本幸四郎主演@国立劇場 ★★

12月20日(日) tori studioプロデュース『お月様へようこそ』
作:ジョン・パトリック・シャンリー 演出:中江翼 @トリスタジオ ★

12月26日(土)劇団チョコレートケーキwithバンダ・ラ・コンチャン
『ライン(国境)の向こう』
脚本:古川健 演出:日澤雄介 @東京芸術劇場 ★

2016年

1月10日(日)シムズ・バレエ『空のあいだ 時のあいだ』
演出・振付:畠山慎一 @吉祥寺シアター ★

1月30日(土)『DRAGON`S HEAVEN外伝 Mayfly Flute-六月の間奏曲-』
脚本・演出 佐々木総@新生館スタジオ ★

2月26日(金)ストアハウスコレクション タイ週間
『Remains』『Red Tanks』@上野ストアハウス ★★

2月27日(土) キンダースペース『フェードル~あるいは崩れゆく人々』
構成・演出:原田一樹@シアターX ★

3月3日(木)劇団銅鑼『池袋モンパルナス』
作:小関直人 演出:野崎美子 @俳優座劇場 ★★

3月6日(日)劇団ババサーカス『煉獄』
脚色・演出:イ・ウンジン@下北沢小劇場B1 ★

3月21日(土)21g座×創造工房『在りし日の街~謳歌せよ我が世~』
作・演出:岡戸優太@明石スタジオ ★★

3月26日(土) 三ツ星キッチン『ハンディ』
脚本・演出・出演:市村啓二 出演:武者真由@阿佐ヶ谷アートスペースプロット ★★

4月24日(日) 板橋演劇センター『ヘンリー八世』作:シェイクスピア 演出:遠藤栄蔵 @板橋区立文化会館小ホール ★

(★★★サイコーです! ★★よかった ★もの足りない)

# by yugikukan | 2016-04-30 16:49 | 日記
2015年 11月 10日

「全段通し仮名手本忠臣蔵」稽古開始!

11月9日(月)、「全段通し仮名手本忠臣蔵」の稽古が始まる。

本年で4年目を迎えるこの企画、今回も充実した舞台に仕上がりそうな予感を抱ける稽古初日となった。

メンバーのアンサンブルもバランスが取れている。
またひとりひとりのクオリティも高い。
若手も古典の文体によく馴染んでいる。頼もしい限りだ。

今回は、演出的に作品の骨格はあまり変更せず、俳優の発する声がより着実にドラマを生成しているかどうかを見極めていきたい。

4年前、まずは歌舞伎、文楽の全段を鑑賞し、それを基礎工事にして作業がはじまったが、上演を重ね4年目ともなると、俳優たちは意味のレベルではあまり抵抗を感じなくなった。それは俳優の体に言葉が浸透してきた、いわゆる「腹に落ちてきた」ということかもしれない。

そうなると、問題になるのは、俳優たちの対立、葛藤がよりリアルであるかどうかである。

様式のある文体を使って、他者とアクティブな関係性を築く。

ここには、文体をコントロールする自分自身へ向けた意識に加えて、他者への働きかけを意識したものが必要となる。

その働きかけがリアルであれば、言葉の意味を超えたドラマが立ち現れるだろう。

俳優は、内に向かう意識と外へ向かう意識を持たなくてはならない。

そしてまた、別の課題も加わる。

「地」の文体を如何に語るかである。

俳優は、対話を主にした台詞だけを発するのではない。
その行動を描写した「地」も合わせて語る。

それを実現するためには、「役を演じる」ということを対象化しなくてはならない。
役の情緒に振り回されることなく、常に客観性を保持しながら、役を操るという意識が必要なのだ。

物語の魅力を伝えること、そして、演技についての認識を深めていくこと。

豊穣な言葉の提示に留まらない、生き生きしたドラマの生成、そこに向けて稽古を深めていきたい思う。

# by yugikukan | 2015-11-10 06:54 | 演劇 
2015年 06月 02日

朗読劇『継志』其の四~沖縄の地上より~ 初日

朗読劇『継志』其の四~沖縄の地上より~ 初日_d0003835_10574413.jpg朗読劇『継志』其の四~沖縄の地上より~ 初日_d0003835_1058658.jpg『知る沖縄戦』という補助教材をご存知だろうか。
コンパクトサイズでカラー12ページ。ひめゆり学徒隊や集団自決、対馬丸撃沈。多くの住民が巻き込まれた地上戦の悲劇を伝える証言を中心に、Q&A方式の解説、沖縄出身の女優二階堂ふみや腹話術師いっこく堂のメッセージなどで構成されている。「沖縄戦」について非常によくまとまった資料だ。

http://www.asahi.com/special/nuclear_peace/shiru/

朝日新聞社が発行し、昨年夏に希望する中学校・高校や個人に38万部が無料配布された。12月頃に、大阪の学校でこの資料を使った修学旅行前の授業があり、ある生徒がそこに記述された残虐さなどに疑問をもち、親に相談したところ、この父兄が学校に抗議し、回収となったようだ。この回収問題は、国会でも取り上げられ、『知る沖縄戦』は、不適切で偏向しているものというレッテルを貼られてしまった。

 戦後70年の今年、時代が一巡りするように、戦争の体験を語ってきた語り部たちも引退の時期にさしかかっている。「沖縄戦」の象徴的存在となってきた「ひめゆり学徒隊」の生存者らが建てて運営してきた「ひめゆり平和祈念資料館」の語り部の講話が、今年3月に終了した。語り部は21人が引退し、9人が他界していた。86歳から89歳の9人が残っていたが、4月以降講話の予約は受け付けないという。
 「戦争」の悲惨さを知る者がどんどん日本からいなくなってきている。そのため、昨今の風潮として、「戦争」を政治経済の立場で客観的に語ったり、先の「戦争」を正当化し、国民の意識を鼓舞したりするような言動をしばしば耳にする。そして、「平和」の二文字を口にすると、幼稚な夢想家、あるいは、「自虐史観」で日本をダメにする輩といった扱いを受けたりすることもある。
 
長谷川由里さんが企画したこの『継志』というシリーズは、今回四回目を迎え、戦争手記や証言を構成し上演してきた。台本作成のため、あらためて戦争の手記や証言を読んでみると、そこで繰り返し訴えられていることは、戦争は絶対にいけない、というメッセージだ。戦争は民衆に多大な犠牲を強いることになる。沖縄戦では、「鉄の暴風」とまで形容された砲弾の雨を浴び、捕虜になれば米兵に非人道的な目に遭うと妄想して「集団自決」に追い込まれた。これらの体験を当事者に代わって声を発し続けなければならない。「平和」な時代を希求し、「命どぅ宝(ぬちどぅたから)」を心に刻んで。(公演パンフレットより)
朗読劇『継志』其の四~沖縄の地上より~ 初日_d0003835_10443315.jpg
朗読劇『継志』其の四~沖縄の地上より~ 初日_d0003835_10435250.jpg


# by yugikukan | 2015-06-02 10:50 | 日記
2015年 05月 26日

『日曜日』初日閉幕

劇団櫂人アトリエ公演2015~月曜サロン・櫂人と過ごすひとときに~
『日曜日』(Bプログラム)の初日が無事終了しました。マチネ公演では、途中地震による中断もありましたが、概ね好評のうちに幕を閉じることができました。
『日曜日』初日閉幕_d0003835_7194617.jpg

ご来場の皆様ありがとうございました。

この公演は、5月から7月にかけて、ほぼ二週間ごとにAプログラム『閉らぬカーテン』『男と女と男』(5月11日初日)とBプログラム『日曜日』を連続上演していきます。

来年2月の本公演までの間に劇団たちのスキルアップを図ることを目的に企画した公演ですが、横光利一作品との出会いも大きな収穫です。

横光利一は、戦前「小説の神様」と称せられ、川端康成とともに文学界のツートップだった時代もありましたが、戦中の戦意高揚が戦後に批判され、ほとんど顧みられなくなったようです。

今回、選ばれた3作品は、大正末から昭和初期にかけて執筆された戯曲で、当時はあまり高い評価を受けていませんでしたが、上演してみて思うのは、時代を先取りしていたんだな、ということです。

『閉らぬカーテン』は、互いにバツイチの夫婦が窓を閉めるか閉めないかで議論する不条理劇のはしりとも言えるものだし、『男と女と男』は、その戯曲様式が語りとも戯曲とつかぬ形式で書かれ、田舎暮らしの若い三人の男女の恋愛と友情を描いたもの、『日曜日』は、サナトリウム職員の男女の愛情の葛藤と患者たちの死生観を絡めたチェーホフの香りのする心理劇です。

生涯に11篇の戯曲を書いた横光利一ですが、いずれまた、ほかの作品も上演する機会があると思います。

終演後は、月曜サロン恒例の談話会で観客と演者の交流が図られました。

# by yugikukan | 2015-05-26 07:26 | 日記