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幕間のメモ帳

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2010年 03月 22日

アラバールの「戦場のピクニック」まもなく上演

【今週の観劇作品】
3月14日(日) 若手演出家コンクール2008 最優秀賞受賞記念 cheeky*park公演『IT'S ALL RIGHT FOR YOU』演出・振付:智春 作:すがの公、出演:DAIKI、cheeky☆、NoB、堀口和也、森田智博、境野智美、中川真希 於:下北沢「劇」小劇場 
若手演出家コンクールで優秀賞を受賞した彼らの才気に溢れた舞台。

春です。

講師をしている養成所の生徒が二年間の授業を終え、卒業していきました。
演劇のえの字も知らない状態だったのが、およそ15分の二人芝居を演じきるほどの腕前になって、卒業していきました。感無量です。

その養成所の「舞台演技クラス」の発表会が4月初旬にあり、半年の稽古期間を経て、今回は、フェルナンド・アラバール作「戦場のピクニック」を上演します。

アラバール作品はわが遊戯空間でも「ファンドとリス」を、そして「ファンドとリス」と「大典礼」という作者の半生を描いた作品二本を構成した「ふたりのフェルナンド・アラバール」を上演、演出したことがあります。

また、20代前半には「建築家とアッシリアの皇帝」を構成したもの、30代には、観世榮夫演出、出演が、田中泯、観世榮夫、江幡洋子、篠本賢一という布陣の、「彩られた青春」を若林彰氏が翻案した「刺草小町壮哀期」に出演したことがあります。これは、田中泯さん主催の「白州アートキャンプ」で上演しました。都会から離れた白州に、本番を翌日に控えながら、松竹で借りた衣装が手違いで届かず、本番ぎりぎりに届くという、とんでもないアクシデントがありハラハラしたのが懐かしいです。

50年代から60年代にかけて不条理劇が盛んだった頃、アラバールは、ベケット、イヨネスコなどと同様に上演機会も多かったでしょうが、最近ではあまり上演されなくなってしまったようです。

アラバール戯曲集の上演記録を見ると、初期の頃、美術に故丸田道夫氏の名前があり、感慨深いものがありました。丸田氏は、遊戯空間の「ベルナルダ・アルバの家」「十二夜」「ふたりのフェルナンド・アラバール」などの舞台美術で参加してくださいました。2003年冬、残念な事にお亡くなりになってしまいました。その約半年後に、劇団の看板女優、青木雪絵も亡くなります。2003年に続いた二人の大切な仲間の死は、遊戯空間にとって、私にとって、大きなショックでした。

その個人的にも思い出深いアラバールの初期の傑作「戦場のピクニック」は、およそ30分ほどの小品ながら、反戦の力強いメッセージが幾何学的な構成、アラバール特有のファンタジックで遊戯性に満ちた台詞でつづられ、不条理劇の傑作だということがあらためて感じられます。    

出演者の生徒もはじめ戸惑いながらも、この激しくもおかしな世界に入ってきたようです。

そして今回、ダブルキャストなんですが、上演に際しては、その二つのキャスティングの芝居二本を連続で見せてしまうという趣向です。同じ芝居でも役者が違うと随分変わるものです。「戦争は繰り返される」というこの作品のテーマにもあっていて、なかなか楽しい演出になったと思っていますが、さてどうなることやら。

by yugikukan | 2010-03-22 00:00 | 日記


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