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幕間のメモ帳

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2012年 05月 22日

全生庵、圓朝の墓前で

【今週の観劇作品】

5月20日(日)青年劇場公演『臨界幻想2011』作・演出:ふじたあさや 於:紀伊国屋サザンシアター 
30年前に上演されたこの戯曲。スリーマイルでの事故後に書かれ、その後、チェルノブイリの事故があった。しかし、この作品で描かれた深刻な原発事故及び原発作業員の実態は、なんら変わっていない。演劇というものは、世界を映す鏡といわれるが、普段見逃してしまっている出来事をあぶりだすようにこの作品は成立していた。会場で和合亮一さんに出会う、偶然。

19日(土)、谷仲、全生庵にて圓朝、鉄舟の墓参り。出演者多数と公演の成功を願う。

『隅田川の線香花火』の稽古も一週間が過ぎた。動くことなしに読む稽古を重ねた。
それぞれ役へのアプローチが始まった一週間でもあった。

セルフイメージに縛られたまま言葉を発する俳優には、その縛りを解きほぐすヒントを提示した。

人間は意外に自分を小さくまとめてしまう傾向がある。
もちろん日常生活を社会的に営むには必要な、処世術とでもいえるものだが、これが俳優表現に於いては障害になることが多い。
経験のある俳優、能力のある俳優は、そのタガを自ら自由に取り払い、体の中にあるパワーをうまく使いこなすことが出来る。そういった俳優には、演出家はあまり多くを語らずに、彼らの作業を遠くから観て楽しんでいればよい。そういった意味では、今回の座組みは、演出にあまり仕事をさせない座組みともいえよう。

また、初顔合わせの多い今回の座組みにおいては、互いの事を知りあうための一週間でもあった。
どんな音を出すのか、どんな絡み方ができるのか。
お互いの出方を観察しながら、ある者は用心深く、ある者は相手を挑発して、良好なコミュニケーションを探っているようだった。

二日間のお休みののち、稽古は再開される。
次のクールは、ブロッキング。それぞれのシーンは、舞台のどの場所で展開され、人物はどこから登場し退場するのか、舞台での動線をさぐる作業に入る。

演出家の期待をいい意味で裏切ってくれそうな役者が多いので、また楽しみな一週間になりそうだ。

by yugikukan | 2012-05-22 10:26 | 日記


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