幕間のメモ帳

yugikukan.exblog.jp
ブログトップ
2012年 05月 29日

ディテールをつくる二週間

『隅田川の線香花火』の稽古。
荒立ちが終わり、今度は細かい部分を作っていく二週間。
まず初めの一週間は、あまり小さく固めようとせずに、可能性を探ることを重視する。
俳優が想像力を働かせて持ち込んでくるものをできるだけ試してみる。

言葉や動きのクセを修正することもこの時期に徹底しなければならない。
特に今回は和物なので、着物を着た所作、着つけも大切だ。
台詞に関しては、意志や感情、出来事をまとめてワンブレスで言い切る、無駄な間を排除する。
ワンセンテンスにピークが複数ないかどうか。山と呼んでいるが、これがワンセンテンスに複数あると、意味が伝わらないし、語っている本人も集中していない状態になっている。
感情、感覚の切り替え位置を徹底させること。これは読み合わせでも取り組んでいるが、中身の違うセリフを違うブレスでしゃべっているかどうか。内容が変わっているのに、ブレスを変えずにしゃべると、これもおかしなことになる。内容を変化させるときには、必ず息継ぎをし直す。
それと関連し、相手役のセリフのどの部分に反応するのかということも明確にしていく。その時に動き、呼吸の変化はどうなるか。

など。

小道具の使い方の探求もこの時期に深めていきたい。
小道具と言っても扇子と手ぬぐい、基本的にこれだけ。
その二つを様々なものに見立てていくという、落語風の使い方をする。
今回の座組みには、桂右團治師匠が参加してくれているので、貴重なアドバイスが頂ける。

演出をしていて台本の読み込みが昨年よりも深まった気がする、自分で書いたものなのだが。
昨年は書いたものを立体的にすることで精いっぱいだったのかも。
今回は、人物の造形につながる物語の連続性、モチーフとモチーフの間にある伏線などが、前回に比べよく見えるようになった。
そういった意味では、今回の方が戯曲に対し客観性が持て、前回よりも演出としての作業ができているのかもしれない。自分で書いた台本に新たな光を当てていく作業、なかなか新鮮である。

6月9日の稽古は、当初午後夜間の長丁場だったが、桂右團治師匠が、国立演芸場に出演するので、稽古は半日で終え、出演者一同で三宅坂に応援しに行くことにした。稽古場では、演劇というアウェーでの他流試合に挑戦している師匠だが、その時はホームグラウンドでの師匠を観ることが出来る。これも楽しみ。
[PR]

by yugikukan | 2012-05-29 06:41 | 日記


<< 隅田川の線香花火、公演終了      立体化作業へ >>