幕間のメモ帳

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2007年 02月 19日

劇的!

17日(土)「わたしは血~中世妖精物語~」彩の国さいたま芸術劇場にて、
演出・振付・舞台美術・テキスト/ヤン・ファーブル
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今はイエスキリスト生誕から
二千年である
そして私たちはあいかわらず
中世に生きている
そして私たちはあいかわらず
同じ体で生きている
内側は湿り
外側は乾いた体で
そして私たちはあいかわらず
ひとつの体で生きている
この体は外よりも内のほうが
色彩豊かである
そして私たちはあいかわらず
愛の妖精物語とともに生きている
血なしに生きる日は一日もなく
あいかわらず私たちは
満たされない食欲とともに生きている
さらなる欲望
まだたりない
決してそれらは満ちたりない
・・・・・
私は再び
自分を
中世人にする
生まれかわる
私は昔のように
今のように
外科医で床屋
仕事は一人で覚えた
私は自分を刻む
再び中世人になるまで
私の液体の繊維が
完全に見えるまで
そして新しい無敵の
鎧になるまで
・・・・・
第一の切り込み
私は額を刻む
そして私は開く
前頭静脈を
前頭動脈を
第二そして第三の切り込み
私は左のこめかみを開く
右のこめかみを開く
そして私は開く
側頭静脈を
側頭動脈を
第四、第五の切り込み
私は左の耳の下を切り込む
右の耳の下を切り込む
そして私は開く
浅頸静脈を
・・・・・
第三十一、
第三十二、第三十三そして
第三十四の切り込み
最終的な切り込み
私は左の手首を切り込む
右の手首を
左の手のひらを
そして右の手のひらを
そして私は開く
尺骨静脈
尺骨動脈
掌静脈弓を
私は自分を空っぽにする
私は自分を外に出す
私は解き放たれる
・・・・・
私の赤い湿った体
この沸騰する生が
開かれた身体から
滴り
きらめき
流れ
ほとばしる
まるで動悸を打つ泉のように
私は血である
私は血である

(わたしは血/ヤン・ファーブル著 書肆山田刊より抜粋)
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by yugikukan | 2007-02-19 12:22 | ドラマ


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