幕間のメモ帳

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2008年 06月 25日

ヒデオゼミ発表会の作品解説

昨日は、夜の部をメインにした申合せがあった。能を演じるとうのは、これはもう独特の緊張を強いられるので、いろいろハプニングもありました。私もやっちまいました・・・。本番まであとわずか、気を引き締めて、がんばらねば。

能というのは、詞章が現代語ではないので、聞き取りにくかったり、源氏物語、平家物語、中国の古典など先行する作品からの引用も少なくないので、前情報があった方が、理解しやすい。

ので、このブログを見てくださっている方に、特別解説致します。

このページをプリントアウトして、能楽堂へ行こう!

用語解説

仕舞・・・曲の中心部や終局を抜き出して、装束やお囃子ぬきで、袴姿で舞う。
     今回の「羽衣」「殺生石」は、作品の最後の部分を舞う。
素謡・・・曲のはじめからおわりまでをシテ、ワキ、地謡などの役に分けて動きなしで謡う。
     役が地謡を兼ねることもあるが、今回は別々に謡う。

経正(あらすじ)
世阿弥作といわれているが不明。平家物語による。平経正は一の谷合戦で、討ち死にするが、それを憐れに思った仁和寺(にんなじ)の宮は、経正が生前に大切にしていた琵琶を仏前に供え、管弦講(音楽葬)を催して、経正を弔うように、僧都行慶に命じる。法事を行っていると、その夜更け、経正の幽霊が現れて、行慶と言葉を交す。経正は生前大切にしていた琵琶を取り、自ら弾じ楽しんでいたが、討死の無念がよみがえり、たちまち修羅道の苦に巻き込まれていく。経正はその恥ずかしい姿を見られまいと燈火を吹消し、闇の中に消えていく。

羽衣(あらすじ)
世阿弥作。白龍たち漁夫が釣りに出かける。長閑な春の海。海辺の三保の松原のとある松に美しい衣がかかっているので、白龍は取って帰ろうとする。そこへ天人が現れて、それは私の羽衣だから返してくださいと言う。いやだと言うと、それがないと天に帰れないのですと嘆き、空を懐かしげに見上げる。その哀れな様子に心打たれた白龍は天人の舞楽を見せて貰うのを条件にして衣を返す。天人は喜んで、月界の生活を語り、この松原の景色はそれに匹敵するほど美しい言って舞い、富士の山よりも高く、霞んだ空の彼方へ消えていく。

殺生石(あらすじ)
玄翁(げんのう)という道人(修行者)が奥州から都へと志し、那須野が原まで来ると、一人の女が現れ、そこにある石は恐ろしい殺生石だから近寄るなと注意した。その謂れを尋ねると、昔鳥羽院に仕えていた玉藻前が化生の身を見破られ、この原の草の露と消えたが、その執心が残って石となったと言い残し、その石の中へ隠れた。
そこで玄翁が石の霊に引導を授けると、石は二つに割れて野干(やかん、狐の魔物)が現れ、玉藻前になっていたのを見破られたので、野干の本体を現し、逃れてこの野に住んでいた所を三浦介・上総介の二人に退治され、残る執心が石となって今まで人の命を取っていたが、あり難い供養を受けたので、この後は悪事を為すまいと誓い、消えうせてしまった。

隅田川
当日配布するパンフレットにあらすじと詞章が掲載されています。
なんといっても、今回、二つの演出で見せるというプロもやらない無謀な方法での演能。
ビギナーには子方ありの昼の部が断然お勧め。(自分が出ているから特に)
それを見てから夜の部の方も見ると演出の違いがわかります。

まず能は一期一会というように基本的に一回しかやりません。演劇のように数日にわたって、興行することはありません。それは能がもともと神事であった名残でしょうか。しかも同じ日に続けてやるなどという事は、もう皆無に等しいのです。

作者の元雅に、父親の世阿弥が、「隅田川」は子供を出さない方がいい、とアドバイスすると元雅は、必要だといって師匠であり父親である世阿弥に反論しました。それを聞いて世阿弥は、演劇はおもしろければそれでいいから、いいと思う方法でやりなさい、と言ったいうやり取りが伝わっています。

その作者元雅の方法が昼の部、世阿弥の方法が夜の部です。
現在ではほとんどが元雅の方法で上演されています。
それはやはりすばらしい演出だからで、私もやっているとそれをひしひしと感じます。

逆に世阿弥の言う子方なしは、大変難しい方法で、プロもなかなかやりません。
それはうまくいかないと物足りない作品になってしまうからです。
私たちは榮夫先生にはこの難しいといわれる子方なしで習っていました。
先生のお考えがどれほど表現できるかわかりませんが、一見の価値ありです。

本番まであとわずか。

皆さんのお越しを心よりお待ちしています。

見所(客席)は自由席ですから、早めにいらした方がいいですよ。
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by yugikukan | 2008-06-25 08:38 | 日記


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