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幕間のメモ帳

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カテゴリ:日記( 203 )


2013年 01月 30日

「詩×劇 未来からのことばーもし成就するならばー」について

「詩×劇 未来からのことばーもし成就するならばー」は、和合さんの新しい詩集「廃炉詩篇」を軸にしています。私たちはこの新しい詩集に、今までの和合さんとは違う新たな境地を感じ、感動しています。

和合さんの初期の詩集は、シュールレアリスムで書かれていました。破壊的ともいえる言葉の衝突の向こう側に見え隠れするのは、今ここにはいない亡きものへのやさしいまなざし。まるで、お墓で遊ぶ子供のような無邪気さと魂の世界との交流を感じました。

やがて、和合さんに子供ができると、和合さんの詩の遊び場が、お墓から児童遊園に変わっていったような気がします。おもちゃ箱をひっくり返して遊ぶ生命力にあふれた子供が、和合さんの詩行を駆け回っていました。家族への愛、高校教師和合さんの学校の生徒への愛。死の世界の扉は閉じ、生の喜びが開放されていました。

そして震災。

和合さんの心はばらばらになり、詩を生み出せなくなった和合さんは、部屋中に散乱したことばの破片を福島から世界中に投げつけはじめました。「詩の礫(つぶて)」として。東京にいた私にも礫は届きました。頭にコチンとあたったそれは和合さんからのSOSに感じられ驚きました。ショックを受けました。いてもたってもいられなくなり「詩×劇 つぶやきと叫びー深い森の谷の底でー」という演劇をつくりました。

そして、震災から一年後。

まさに世界中に礫を投げ続けていた和合さんは、新たな詩を書き始めました。

それが

「廃炉詩篇」

です。

声をつぶした役者が、その回復と共に新たな声を獲得し、ひと皮むけ迫力を増すことがあります。和合さんの新しい詩はまさにどすのきいた声で私の心をわしづかみにしました。

 廃炉まで四十年(現時点)
   ところでわたしの言葉の
     原子炉を廃炉にするには
       何年かかるのだろう

和合さんの新たな詩には、世界の災禍に対して発せられているかのような強さ、大きさがあります。しかもかつての和合さんのシュールさがよみがえり、詩行はエネルギーに満ち溢れています。

「詩×劇 未来からのことばーもし成就するならばー」は、「廃炉詩篇」に和合さんの再生を感じた私たちが、そのことばを借りて発信する演劇です。

和合さんのことばの魅力すべてを演劇にしようと挑戦している作品です。

皆様のご来場をお待ちしております。

2月8日(金)~10日(日)
両国・シアターカイ

ご予約・お問合せ 090-3474-7999(制作携帯)
info@yukikukan.com

by yugikukan | 2013-01-30 08:24 | 日記
2013年 01月 09日

本格的始動!

現在、和合亮一さんの新作「廃炉詩篇」をテキストにした、「詩×劇 未来からのことばーもし成就するならばー」に取り組んでいます。本番まであとひと月、稽古が本格的に動き出しました。和合さんの書いた言葉が、対話、モノローグ、身体表現など、さまざな位相で再構成され、福島で詩を書き続ける詩人の苦悩を描く舞台になる予定です。詩人役、福島の人々役、コロスなどの登場する現代版ギリシア劇のようなものを考えています。

世の中は、政権がかわり、新たな舵がきられようとしていますが、一昨年前の原発事故は、まだ何も解決していません。というか、まだ実態さえつかめていないようなのです。メルトダウンした放射性物質が、現在どこまで落ちているのか、調査しようにも放射能が強くて近づけず、正確に把握できていないのです。原子炉格納容器という入れ物から落ちた放射性物質は、東電の話では、格納容器の下ばりのコンクリートの床が1メートルの厚さで、いま70センチは溶けているけど、あと30センチあるので、持ちこたえているはずだ、との憶測を言っているようです。(昨夏)2800℃ともいわれる物質をコンクリートがどこまで支えることが出来るのでしょうか。
それでも政府は原発再稼働、推進をほのめかし始めました。
世間では原発をよく「トイレのないマンション」に例えます。
最新設備で快適を売りにした新築マンションに入居しようとしたところ、トイレがない。どうすればいいのか聞くと、おむつをして生活し、汚れたおむつは押し入れの中にしまっておいてください。いずれ何とかしますから、と。
私のうちにも今、赤ん坊がいるので、日常的にオムツのごみが出るのですが、これを処分できずに、ためておくことなど考えられません。
原発から出る放射性物質のゴミのなかには、その影響がきえるまでに数10万年かかるものがあるといいます。これを無害化できる技術をまだ人類はもっていません。それなのに原発再稼働、原発推進なのでしょうか。
経済効率を言い訳にそんな危険ことを続けることは、想像力の欠如に他なりません。
私は、演劇というものを続けてきた証に、いま何が起こり、これから何が起こるかもしれないのか、あるいは、何が起こせるのか、想像力を駆使したいと思います。

2月8日~10日、シアターカイでお会いしましょう。

by yugikukan | 2013-01-09 07:27 | 日記
2013年 01月 01日

明けましておめでとうございます

新しい年が始まりました。

今年は遊戯空間旗揚げ25周年です。

2月に「詩×劇 未来からのことばーもし成就するならばー」
8月、9月に「子宝善哉」
12月に「全段通しリーディング 仮名手本忠臣蔵」

を予定しております。

どうぞよろしくお願いします。

篠本賢一

by yugikukan | 2013-01-01 01:47 | 日記
2012年 12月 31日

次回公演予告

「詩×劇 未来からのことばーもし成就するならばー」
テキスト 和合亮一「廃炉詩篇」より
構成・演出 篠本賢一
2月8日(金)ー10日(日) 劇場 シアターⅩ
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by yugikukan | 2012-12-31 18:36 | 日記
2012年 12月 31日

今年の仕事

1月 日本演出者協会 「第二回日韓演劇フェスティバル」実行委員
3月 遊戯空間「詩×劇 つぶやきと叫び in 仙台」 演出・出演
3月 杉並演劇祭 審査委員
4月 テアトルアカデミー舞台クラス発表会 「師走坊主」演出
4月 授業フェスティバル「授業」演出・出演
5月 演劇集団ジーバ発表会 「文七元結」他 演出・出演
6月 遊戯空間「隅田川の線香花火」演出
7月 現代舞踊協会「時の分配」出演
8月 今申楽朧座「風」出演
9月 文月レイバレエ発表会「ジゼル」出演
9月 日本演出者協会 「最後の伝令」出演・演出助手
10月 テアトルアカデミー舞台クラス発表会「ベルナルダ・アルバの家」演出
10月 室内オペラ「夕日の耳」演出
11月 映画甲子園2012 審査委員
12月 劇団銅鑼「継志その弐ー板橋から戦争を語り継ぐー」演出
12月 遊戯空間「仮名手本忠臣蔵」演出・出演


2012年もさまざまな出会いや悲しいお別れがいろいろありました。
お陰様でなんとか一年が終わろうとしています。
お世話になりました。

by yugikukan | 2012-12-31 10:25 | 日記
2012年 08月 06日

隅田川の線香花火、公演終了

ホームページ故障のため、こちらから御礼申し上げます。

御来場頂きましてありがとうございました。
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by yugikukan | 2012-08-06 10:55 | 日記
2012年 05月 29日

ディテールをつくる二週間

『隅田川の線香花火』の稽古。
荒立ちが終わり、今度は細かい部分を作っていく二週間。
まず初めの一週間は、あまり小さく固めようとせずに、可能性を探ることを重視する。
俳優が想像力を働かせて持ち込んでくるものをできるだけ試してみる。

言葉や動きのクセを修正することもこの時期に徹底しなければならない。
特に今回は和物なので、着物を着た所作、着つけも大切だ。
台詞に関しては、意志や感情、出来事をまとめてワンブレスで言い切る、無駄な間を排除する。
ワンセンテンスにピークが複数ないかどうか。山と呼んでいるが、これがワンセンテンスに複数あると、意味が伝わらないし、語っている本人も集中していない状態になっている。
感情、感覚の切り替え位置を徹底させること。これは読み合わせでも取り組んでいるが、中身の違うセリフを違うブレスでしゃべっているかどうか。内容が変わっているのに、ブレスを変えずにしゃべると、これもおかしなことになる。内容を変化させるときには、必ず息継ぎをし直す。
それと関連し、相手役のセリフのどの部分に反応するのかということも明確にしていく。その時に動き、呼吸の変化はどうなるか。

など。

小道具の使い方の探求もこの時期に深めていきたい。
小道具と言っても扇子と手ぬぐい、基本的にこれだけ。
その二つを様々なものに見立てていくという、落語風の使い方をする。
今回の座組みには、桂右團治師匠が参加してくれているので、貴重なアドバイスが頂ける。

演出をしていて台本の読み込みが昨年よりも深まった気がする、自分で書いたものなのだが。
昨年は書いたものを立体的にすることで精いっぱいだったのかも。
今回は、人物の造形につながる物語の連続性、モチーフとモチーフの間にある伏線などが、前回に比べよく見えるようになった。
そういった意味では、今回の方が戯曲に対し客観性が持て、前回よりも演出としての作業ができているのかもしれない。自分で書いた台本に新たな光を当てていく作業、なかなか新鮮である。

6月9日の稽古は、当初午後夜間の長丁場だったが、桂右團治師匠が、国立演芸場に出演するので、稽古は半日で終え、出演者一同で三宅坂に応援しに行くことにした。稽古場では、演劇というアウェーでの他流試合に挑戦している師匠だが、その時はホームグラウンドでの師匠を観ることが出来る。これも楽しみ。

by yugikukan | 2012-05-29 06:41 | 日記
2012年 05月 24日

立体化作業へ

『隅田川の線香花火』の稽古も新たな段階に入る。

今日は舞台上の動線の確認。

基本的に舞台装置はない。

俳優の位置関係、動線だけですべてを表現していく。

この方法による演劇に出会ったのは、ピーター・ブルック著『何もない空間』

そして能。

そしてダンス。

何もない舞台に新たな空間、時間原則を作っていく面白さ。

by yugikukan | 2012-05-24 10:30 | 日記
2012年 05月 22日

全生庵、圓朝の墓前で

【今週の観劇作品】

5月20日(日)青年劇場公演『臨界幻想2011』作・演出:ふじたあさや 於:紀伊国屋サザンシアター 
30年前に上演されたこの戯曲。スリーマイルでの事故後に書かれ、その後、チェルノブイリの事故があった。しかし、この作品で描かれた深刻な原発事故及び原発作業員の実態は、なんら変わっていない。演劇というものは、世界を映す鏡といわれるが、普段見逃してしまっている出来事をあぶりだすようにこの作品は成立していた。会場で和合亮一さんに出会う、偶然。

19日(土)、谷仲、全生庵にて圓朝、鉄舟の墓参り。出演者多数と公演の成功を願う。

『隅田川の線香花火』の稽古も一週間が過ぎた。動くことなしに読む稽古を重ねた。
それぞれ役へのアプローチが始まった一週間でもあった。

セルフイメージに縛られたまま言葉を発する俳優には、その縛りを解きほぐすヒントを提示した。

人間は意外に自分を小さくまとめてしまう傾向がある。
もちろん日常生活を社会的に営むには必要な、処世術とでもいえるものだが、これが俳優表現に於いては障害になることが多い。
経験のある俳優、能力のある俳優は、そのタガを自ら自由に取り払い、体の中にあるパワーをうまく使いこなすことが出来る。そういった俳優には、演出家はあまり多くを語らずに、彼らの作業を遠くから観て楽しんでいればよい。そういった意味では、今回の座組みは、演出にあまり仕事をさせない座組みともいえよう。

また、初顔合わせの多い今回の座組みにおいては、互いの事を知りあうための一週間でもあった。
どんな音を出すのか、どんな絡み方ができるのか。
お互いの出方を観察しながら、ある者は用心深く、ある者は相手を挑発して、良好なコミュニケーションを探っているようだった。

二日間のお休みののち、稽古は再開される。
次のクールは、ブロッキング。それぞれのシーンは、舞台のどの場所で展開され、人物はどこから登場し退場するのか、舞台での動線をさぐる作業に入る。

演出家の期待をいい意味で裏切ってくれそうな役者が多いので、また楽しみな一週間になりそうだ。

by yugikukan | 2012-05-22 10:26 | 日記
2012年 05月 14日

遊戯空間稽古初日

【観劇作品】

5月13日(日)『授業フェスティバル公演』実験演劇集団風蝕異人街、長堀博物館◎プロデュース 於:神楽坂ディプラッツ 


さて、本日より遊戯空間公演『隅田川の線香花火』が始まります。

一昨年前に他団体に書き下ろした戯曲ですが、震災直後、公演中止になりましたが、遊戯空間公演としての仕切り直しです。前回のメンバー10名に、新たなメンバー9人が加わり、俳優総勢19名の大所帯です。

稽古初日の読み合わせで、今回のアンサンブルがどんなものになるのか、見えてきます。
演出としては、頭で考えたことが、どれほどできるのか、どれほどできないのか、これからの稽古の方向性を探る大切な日です。

恍惚と不安が同居した演出家にとって、何とも言えぬ一日です。

by yugikukan | 2012-05-14 07:44 | 日記